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見込み顧客を勝手に連れてくる仕組み。チャットボットのChatBook

2018.04.02 Mon

マーケティング

チャットブック小島氏

目次

株式会社チャットブック 代表取締役の小島舞子さんにお話を伺いました。

同社のChatBookは、BtoBの見込み顧客獲得のためのチャットボット制作ツールです。

チャットボットの開発・活用は様々な場面で進んでいますが、ChatBookはBtoB向けにWebサイト上での見込み顧客獲得を支援するチャットボット制作ツールです。法人向けサービスを紹介する当サイトとしても見込み顧客獲得手法は興味津々なので、お話を伺ってきました。

 

――本日はよろしくお願いします。まず、ChatBookについて概要を教えていただけないでしょうか?

ChatBookは、チャットボットを用いて企業のホームページやサービス紹介ページを訪問した顧客を見込み顧客として獲得するためのサービスです。

仕組みとしては、ChatBookはFacebookメッセンジャーと連携*しており、サービス紹介ページ上に設置されたChatBookボットと訪問者が会話を開始すると、会話した内容や、訪問者のFacebookの登録情報を把握できるようになるので、自社サービスの購入可能性がありそうな訪問者を見込み顧客として獲得できるようになります。

*注:ChatBookはFacebook社の「Platform Development Providers」に認定されている。

従来のサービス紹介ページでは、見込み顧客が訪問してくれたとしても、問合せフォームに名前や連絡先などを入力して送信してもらうまでは、把握のしようがありませんでしたし、そもそも問合せフォームに到達する割合が低いという課題がありました。

一方、ChatBookでは、ChatBookボットと訪問者が会話を始めた瞬間から訪問者の情報を把握できるようになりますので、問合せフォームにたどり着かない訪問者も把握することができます。

また、ボットとの会話内容から、見込み顧客であるかの判別や、見込み顧客である場合の次のアクションが検討できるようになります。

 

ChatBookのチャット画面

ユーザーが「Chat」ボタンを押すと会話が開始

 

ChatBook会話画面

Facebookメッセンジャー上で会話が進む

 

私がほしかった見込み顧客獲得ツール

――訪問者の情報を把握してアクションを起こしたいニーズは強くありそうです。このような使い方は開発当初から想定されていたのでしょうか?

いえ、Chatbookの開発当初はむしろBtoC向けの活用を想定していました。例えば、宿泊施設の予約登録や、飲食チェーンのスマホアプリのダウンロード誘導にチャットボットを活用するサービスを提供していました。

この際に痛感したのは、ChatBookの法人顧客を獲得することの大変さです。私は営業出身ではありませんので、顧客獲得のための営業活動は手探りでした。何か営業活動の手助けになる方法はないかと思案していた時に試してみたのが、これまでBtoC向けに提供していたチャットボットを自社サイトに設置することです。自分が営業する代わりに、チャットボットが自社サイト上で営業してくれたら、こんなにも助かることはないという思いでした。

運用を開始すると、問合せを多くいただくことができ、受注にもつながりました。当初からFacebookメッセンジャーと連携していましたので、サイト訪問者が把握できますし、訪問者情報とチャットボットとの会話内容から、この人は顧客になる可能性があるのでは、というのが見えてきました。まさに「自社の営業要員」であると思いました。

そうであれば、まさに私がほしかった「自社の営業要員」を他社にも提供できれば喜ばれるのではないかと思い、それからは見込み顧客獲得ツールへの開発へと舵を切りました。

 

見込み度判定に必要な情報が集まりやすい

――たしかにそれはほしいです。見込み顧客獲得に向けてChatBookではどのような工夫をしているのでしょうか?

ChatBookでは、「見込顧客(リード)の収集」と「ホットリードの見極め」が大事だと考えています。リードの収集については、前述の通りチャットボットがサイト訪問者とFacebookメッセンジャーで会話を開始すると、サイト訪問者のFacebookの登録情報が取得できます。多くのFacebook登録者は、氏名、性別や所属企業(役職を登録している人もいる)等を登録していますので、どの企業の誰であるかがわかります。

そしてホットリードの見極めについては、一般的にBANT(Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)) 情報などが必要と言われますので、これらの情報を収集して判別に用います。

本来はBANT情報をもとに営業は優先度を決めて対応すべきところですが、実際はサービス紹介ページの問合せフォームにこれら情報の入力を必須にすると離脱率が高まるので、情報収集を諦めるケースが多くありました。

ChatBookの場合は、チャットの会話の中で自然に聞くことができますし、仮に質問中に会話から離脱されたとしても、離脱前までの情報が記録に残ります。これまでの運用結果をみても、BANT情報などもすんなり聞くことができていると言えますし、入力が完了しないと何も収集できない問合せフォームと違って、回答途中でも十分有用な情報を収集できています。

取得した会話やユーザー情報

管理画面で回答内容やユーザー情報が確認できる

 

――見込み度の高さもわかってリード情報が得られるのはメリットが大きいですね。

会話内容や収集した情報から見込み度を判定するほかに、「このような答えが来たらすぐに通知」という即時アラート機能も用意しています。例えば、「いますぐ見積が欲しい」という顧客は言うまでもなく見込み度が高い顧客ですし、営業はすぐにでも連絡すべきです。このように「明らかなホットリード」を判別して通知する工夫も拡充していきたいと考えています。

 

――このホットリードの見極めには聞き方や会話の進め方が重要そうですね。

とても重要です。実は開発当初は、「お困りごとは何ですか?書いて教えてください」と、自由記述式で質問を受け付けていました。すると、反応率が高くないばかりか、「Hello!」みたいなテスト入力ばかりで、まともな質問が少なかったです(笑)

その時は、自由記述分をテキスト解析して返答する方式を想定したいのですが、どうやら自由記述式だと本当に困っていることを書いてくれないようです。

 

――それはわかる気がします。意外と自分で困っていることを端的に表現するのは難しいですよね。

なので、自由記述式ではなく、選択式にしました。「この中から選んでください」という会話を続けていくことで、悩みごとや課題を特定していく方式です。現在は、選択式でいかにスムーズに回答していただくかを探求しています。

 

Facebook広告のターゲットとは相性抜群

――ChatBookの導入候補としてはどのような企業をターゲットにしているのでしょうか?

ChatBookはFacebookメッセンジャーと連携していますので、Facebook利用者層を対象にしている企業とは相性がよいと考えます。例えば、人材紹介会社や士業の会社は30~40代のビジネスパーソン層をターゲットにしているケース が多いので、これらの会社は当社のターゲットになります。

 

――そう考えると、幅広い会社での活用が見込めそうですね。

そうですね。ChatBookの用途としては、企業のホームページやサービス紹介サイトでのチャットボットの設置に加えて、Facebook広告上での設置・活用もあります。Facebook広告上で、例えば「詳しく聞いてみる」というボタンを押すと、チャットボットが立ち上がって会話が開始されるという使い方です。

そうなると、Facebook広告を運用されている企業は当社のターゲットになると考えています。

 

メッセンジャーは新たな見込み顧客育成手段

――今後について伺います。Salesforce Ventures等が2018年2月に出資されましたが、Salesforce Sales Cloud(営業支援・顧客管理のソフトウェア)とはどのような連携をお考えなのでしょうか?

現時点ではSalesforce Sales Cloudとの機能連携はできていませんが、顧客管理情報の共有と、マーケティングオートメーション(MA)での活用の2つの方向を考えています。

顧客管理情報の共有とは、サイト等でChatBookが収集した訪問した情報を、Sales Cloudに自動的に入力できるようにすることです。多くの企業ではSales Cloudには営業担当者等が顧客と接触した情報を日々蓄積していると思いますが、Webでの接触情報は、一度自社のページに訪問したことがある顧客を把握することが中心ですし、先に顧客情報がなければWebでの訪問者が誰であるかはわかりませんので、、新規訪問者の蓄積はできていないケースがほとんどだと思います。

ChatBookを利用すれば新規の訪問者でも情報を取得することができるので、顧客管理情報として蓄積できるようになります。これを自動で蓄積できるようにしていきたいと考えております。

 

――その情報は顧客管理情報に入れたいですね。MAの方はどのようなお考えでしょうか?

MAでは、顧客に情報を伝達する手段としてFacebookメッセンジャーを活用していきたいと考えます。従来のMAツールでリードナーチャリング(見込み顧客育成)の一環として顧客に情報を伝達する場合、多くはメールでした。メールは開封率が高くありませんので、マーケティング担当者は開封率を上げるだけでも四苦八苦です。

Chatbookを利用すれば、Facebookメッセンジャーでも情報を伝達できるようになります。メールよりも開封率が高まる可能性がありますし、メールとは異なる情報提供の仕方や、双方向でのやり取り等ができますので、ナーチャリングの効果を高められると考えます。

 

――Salesforce との連携以外では、どのようなサービス拡充をお考えでしょうか?

見込み顧客の獲得促進には、情報を得るためにもチャットボットとの対話の仕方が重要で、対話設計が鍵になりますので、手間がかからずに成果の出る会話を実現する対話テンプレートを拡充させたいと考えています。どのようなユーザーにはどのような聞き方をすればよいか事例を積み重ねながらテンプレートに落とし込んでいきたいです。

もう一つは、ホットリードを見極めるためのスコアリングの導入です。
(注:スコアリングとは、顧客の回答内容・行動ごとに得点を定め、顧客が得点を重ねて一定の閾値に達すると、管理者に点数到達を通知する仕組み)
どのような回答や行動をしたユーザーがホットリードになるのかを探求して、見込み顧客ごとにホットかどうかを点数で可視化できるようにしていきたいと考えています。

――本日はありがとうございました。

 

所感

Webサイト訪問者とのチャットツールにはいろいろなサービスがありますが、Facebookメッセンジャーと連携していて、会話を始めるだけで相手の情報を取得できてしまうというのはこのサービスならではであり、見込み顧客の獲得可能性を高める上でとても魅力的で、使ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。また、マーケティングオートメーションでチャットを使って見込み顧客を育成する手段というのもビジネス利用者の多いFacebookだからこそで、利用の広がりがとても楽しみです。

 

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