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業界の常識を覆す”無料MAツール”のKAIGANでMA導入の失敗をなくす挑戦

2018.04.20 Fri

マーケティング

タクセルのKAIGAN

目次

タクセル株式会社の代表取締役の田中亮大さんにお話を伺いました。

同社は、BtoB向け営業・マーケティング支援として、マーケティングオートメーション(MA)やインサイドセールスの導入・運用支援、フィールドセールス強化支援等を行っています。

その同社が、KAIGANというMAツール*を自社開発して提供し始めたとのこと。しかも無料で提供される様子。どのような狙いでどのようなサービスを提供されるのか知りたくてお話を伺ってきました。

*MAツール:見込み顧客への定期的なコンタクトを通じて将来的な顧客へと育成するための手段。

 

タクセル株式会社 代表取締役 田中亮大(りょうだい)さん
大学卒業後、外資系製薬会社に入社。翌年には独立し、複数社のITベンチャー企業の創業/経営に携わる。日本の社長.tvという経営者メディアの営業統括や、ベルフェイスの立上げ、販売会社社長などを歴任。2016年にタクセルを設立し「MAを誰でも、簡単に。MAで誰もが、成果を。」を掲げ、MA支援事業を本格化させた。

タクセル株式会社田中社長

 

――本日はよろしくお願いします。まず、MAに着目された理由は何でしょうか?

マーケティングオートメーションは見込み顧客育成手段として利用が増えてきたものの、活用においては様々な問題がありました。例えば、見込み顧客に対して、どのタイミングでどのようなコンテンツでコンタクトすべきかというシナリオ設計には知見が必要です。

しかし、MAツールベンダーが必ずしも業種ごとに知見を有しているとは限らず、設計できるコンサルティング会社に依頼するとなると費用が高いという問題がありました。また、シナリオを設計できてもコンテンツ作成に苦慮するケースも多くあります。何より、単純に高額だという壁は避けては通れません。

そのような中で、タクセルではマーケティングオートメーションの導入・運用支援サービスを提供してきました。

 

――MAの運用をアウトソーシングで受けるということでしょうか?

もともと弊社は、インサイドセールスBPO事業がメインでした。加えてMAの運用が上手くいっていないクライアントはMAの代行運用を引き受けていました。ただの設定代行ではなく、MAで成果を生み出すために当社ならではの考え・手法に則って行っています。シナリオの設定、コンテンツの作成まで行っていました。

例えば、MAの運用においてスコアリング*をどう設計するかという議論がなされますが、スコアリングの導入が成果につながるとは限りません。例えば、顧客がアクションしたことをスコアとして積み重ねていても、その顧客が他社サービスにより早いペースでアクションをしていれば、自社のスコアが設定値に達する前に、他社との商談が進んでしまうことがあり、一定のスコアへの到達を待っていると商談を逃してしまう可能性があります。

大事なことは、接触タイミングの把握です。例えば、過去にサービス案内をしていた企業が急にWebサイトを訪問するようになったことがわかれば、サービス導入の検討が再開した可能性があり、いますぐコンタクトすべき相手になります。

*スコアリングとは、見込み顧客がWebサイトを訪問する等の行動ごとに加点していき、予め設定したスコアを超えたら、見込み度の高い顧客として接触を図ろうとする方法。

KAIGAN画面イメージ

 

――たしかに、スコアリングを緻密に設計したけど、イマイチ成果につながらない、という声を聞いたことがあります。

資料ダウンロードを促すためのコンテンツ作成も違う理解をされているケースがあります。資料ダウンロードしていただくのが目的なので、資料の中身を充実して喜んでいただくがゴールではなく、思わず知りたくなるようなタイトルをつけて資料ダウンロードを促すことがゴールになります。

資料の中身について悩まれる方は多いですが、逆説的に考えれば重要なのはコンテンツだけで満足していただかないことです。コンテンツだけで疑問が解決した気になると、実際に解決できるほどの理解レベルになっていないこともありますし、何より、コンテンツ提供者へのアクションにつながりません。「腹八分目」くらいがよいと思います。

「ここはわかったけど、この点はどうなのだろう?」と「考えていただく」くらいがちょうどよく、そのタイミングでインサイドセールス(内勤型営業)は電話をかけ、考えていただいている点をご支援できるよう会話を弾ませ、商談につなげます。

そのため、コンテンツがしっかり揃わないとMAができないと考えるのは危険です。MAのコンテンツとして事例集はよく使われる手ですが、1件ずつインタビューをしたベストな事例集作りに熱中しすぎると、すぐに時間が過ぎてしまいます。社内に顧客担当者がいれば、顧客がどのような悩みを抱えていて、サービスを利用しているのかを理解しているはずです。その内容を書き起こし、顧客にメールや電話等で確認していただくフローであれば、時間も手間も大幅に抑制できます。

 

――納得です。これができないとできないからと言って先に進まないケースは多いと思います。

もう一つ例を加えますと、MAツールで取得した見込み顧客情報に対して、インサイドセールスが電話をかけてアポを取得するプロセスがありますが、ここでもよく間違えられがちな重要な点があります。勘違いの例としては、電話にてサービス概要や便益などを伝え、なんとかアポ獲得につなげようとするケースがあります。しかし、それでは、購入意欲もない顧客にとりあえず会いに行くケースを含んでしまい、アポは取れたけど、受注につながらないという事態を生み出します。

電話の際に大事なのは、受注につながる顧客であるかどうかの見極めです。そのために、いわゆるBANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Needs:必要性、Timeframe:導入時期)を聞き出します。大事なのは何を話すかではなく、「何を聞くか」です。色んな会社のトークスクリプトを見てきましたが、どこも、何を話すかに着眼していますので、ここは考え方の転換が必要です。この情報を聞き出すことができれば、発注意欲のある顧客に会えますし、訪問時の提案の質向上にもつながります。

 

――このように、MA運用のプロという状況から、なぜMAツールの開発に踏み切ろうと思われたのですか?

MAは営業・マーケティングにおいて重要な手段と認識しているのですが、いざ導入を検討しようとなると、MAツールの費用が高いし、やろうと決めてもMAツールの選定検討から始めなければならないので、時間もお金もかかるという状況がMAの普及を妨げていると感じていました。

それならば、MAツールを安価にして多くの方が利用できる状況を作ってしまおうと思いました。安価と言うよりは、MAツールはタダで、無料で利用していただく、という考えです。

 

――相当大胆なプランですが、ということはMAツールの導入・運用支援でお金をいただくということですか?

そうです。MAツールで収益性を狙わずに、クラウド(Cloud / Crowd)営業部として、MA代行を丸っと請負います。弊社のMAツールであるKAIGAN以外のMAツールの運用代行も受けています。

KAIGAN導入後サポート

 

――無料のMAツールというと、機能が絞られているという勝手なイメージがあるのですが、特徴や機能面はどうなのでしょうか?

全くそんな事はないです。他社で月20~30万円するような機能が無料です。
さらに言えば、MAツールのKAIGANは、これまでのMAの導入・運用経験を活かした特徴を盛り込んでいるので、もっと使いやすいと思います。

まず機能面では、他ツールと比べて機能が限定されているということはなく、必要な機能は全て盛り込んでいます。例えば、シナリオ設定、メール配信、アクセス解析、LP作成、入力フォーム作成、アラート機能等を備えています。「無料なのにここまでできるのか!」と思っていただけると自負しております。

そしてこだわりの機能は「見込み客管理」です。これまでは、既存顧客・見込み顧客問わず全てSalesforce等のSFA/CRMシステムに登録して管理してきたケースが多いかと思います。MAを導入して、他のCRMと連携させるという運用方法です。しかし、既存顧客でなく、見込顧客の段階でどのような会話をしたのか、正確に記録している会社は少なく、どうしても多くの情報は担当者の頭の中だけになりがちでした。商談化してから、案件化してからば記録の対象となっていたわけです。

それだと退職者が出た場合に問題が起こります。既存顧客に関する情報は、担当者が交代しますので情報はなんとか引き継げます。しかし見込み顧客において担当者の交代が上手くできるケースは少なく、見込み顧客との過去のやり取りがブラックボックスになってしまい、商談機会の逸失につながるケースが多くあります。そのような問題もあり、KAIGANはMAツールでありながら、その中で見込み客を管理するためのCRM機能を充実させています。

KAIGAN機能

 

――これだけの機能を盛り込んだツール開発だとすると、要件定義など開発が大変だったのではないでしょうか?

はい。それなりに大変です。しかし、私は根っからの営業マンなので、その私が欲しい機能、使いやすいインターフェイスを盛り込んでいるので、大変さより、やりがいや楽しみしかありません。しかも、私は前職でベルフェイス(営業用ウェブ会議システム)の創業メンバーでもありますので(ベルフェイスの副社長として事業立ち上げ)その時の経験は大きく活きています。

 

――タクセル社は「リモートワーカー」主体で柔軟な働き方を推奨されていますが、MAツールの運用支援もリモートワークで対応されるのでしょうか?

そうです。MAのシナリオ作成の支援をするMAプランナー / コンテンツの作成を支援するパワポ女子や、システムの設定を支援するMAアシスタントなど、タクセルのMA関連職は、基本的にクラウドワーキングで行えます。その結果、地方の雇用の促進にもつながります。実際に、現在、群馬県の富岡市を基軸に、このようなMA関連職の雇用を推進しています。このような新しい働き方を日本全国に広げていきたいと思っています。

 

――最後に今後の展望を教えていただけないでしょうか。

KAIGANは2017年12月からテスト運用を開始しており、2018年4月にリリースをしました。上場企業をはじめ、順調にクライアント数を伸ばしています。今年中に、クラウド営業部としてMAの代行を請け負う企業数で200社を目指しています。

MA活用に踏み出せない人、MA活用に苦慮している人を後押しする大きな存在となりサービスを浸透させ、BtoB向け営業・マーケティングの考え方の革新に挑んでいきたいと考えています。

 

所感

KAIGANは「これまでのフィールドセールス経験、インサイドセールス経験を全て注ぎ込んだ集大成」であると仰っていました。当該分野のいくつもの場面で高い成果を出されてきたからこその問題意識と解決策です。情熱を持つ田中さんの集大成によるMA界隈の革新が楽しみです。

サービスの紹介サイト

KAIGAN

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