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AIで営業アシスタント業務を自動化するConversica

2018.06.26 Tue

営業

Conversicaトップ

目次

多くの職業がAIで消滅すると言われており、その一つが営業アシスタントです。その流れを加速させる存在として注目を集めているのがアメリカのConversicaです。

現在、多くの営業の現場では、営業アシスタント、営業事務といった職種が存在し、資料請求など自社に接触した顧客への対応をはじめ、相手の関心事項の把握やアポ時間の設定などの定型的な業務をこなし、営業担当者へつなぐ役割を果たしています。その結果、営業担当者は煩雑な事務作業から解放され、自身の担当顧客の対応に集中できるのです。

ただ、見込み顧客とのやり取りにおいて重要なのは、単にアポをとるのではありませんから、まずはアポをとってもよいと思ってもらえるように、サービスへの関心を高めてもらうことや、見込み顧客の関心が高まったタイミングを把握して、すぐに営業からアプローチできるようにサポートすることも重要なミッションです。

営業アシスタントはそのチャンスを見極めることが必要であり、誰でもすぐに務まるとは限らず、人員確保も育成も簡単ではありません。逆に言えば、それができない人材ならばただの電話番のような役割であり、企業は貴重なチャンスを逃してしまうかもしれないのです。

そこで、この問題点をAIを活用することで解決してしまおうというのがConversicaです。今回はこのサービスをご紹介します。

Conversicaとは?

アメリカに拠点をおくConversicaは、顧客とのメールでのやり取りに関する営業アシスタント業務をAIで自動化するサービスです。会社は2007年に設立され、すでに56億円以上調達しており、リクルートホールディングスも2016年に出資しています。既に1,200以上の導入実績がある注目のサービスです。

具体的には、文章を解析するAIを用いて会話文を理解し、自動的にメール返信文を作成・送信します。そして会話のやりとりだけでなく、顧客の購買意欲が高まってきたと判断すれば、適切なタイミングで営業担当者にパスできる点も特徴です。

現在多くのITサービスで利用されている自動返信メールとは大きく違い、AIを用いているため、顧客とのやりとりにおいても、「どのような会話をすれば購買意欲が高められるか」という観点でConversicaの会話の仕方が進化していくという点も興味深いポイントです。

Conversicaは何をしてくれるのか?

Conversicaは例えば以下のような動きをします。

1. 見込み顧客がトライアル版ダウンロードや資料ダウンロードなど何らかのアクションを起こすと、AIアシスタントが見込み顧客にメールを自動で送信する。もし、送信したメールへの返信がなければ、再度連絡することも行う。

 

Conversicaメール自動送付

「ダウンロードいただき、ありがとうございます。オプションプランについて説明させていただく時間をいただけませんか?」というメールを自動で送信(出典:Conversica)

 

2.見込み顧客からの返信内容をAIエンジンで理解し、自動的に返信案を作成して送信する。

 

Conversica自動返信

「アポ承諾ありがとうございます。担当者から見積について連絡させますが、この電話番号でよろしいでしょうか?」というメールを自動で送信(出典:Conversica)

 

3. アポを取得できたら、営業担当者に見込み顧客を引き渡す。

その際に電話ミーティングの実施日や、連絡先の電話番号の設定・確認までしてくれる。また、会話の中で、「いまは予定を立てられないので、来週になったらまた確認して」という要望にも対応できる。

4. その後、見込み顧客が営業担当者と話をして十分な情報を得られたのか、フォローアップ確認まで行う。

 

このAIアシスタントは、次の画面のように、名前や役職に加えて、どの時間帯に対応するかなどが設定できる。

Conversica営業アシスタント設定画面

営業アシスタントの名前や稼働時間の設定画面(出典:Conversica)

 

Conversicaの導入効果

Conversicaを導入することによって次のような効果があると述べています。

  • 確実かつ継続的に顧客接触が行われるので、連絡のし忘れによってチャンスを逃すことがない。
  • 顧客とのコンタクト作業の手間が省け、営業担当者は購買可能性が高い見込み顧客(ホットリード)との商談に集中できる。
  • 営業マネージャーのマネジメントに役立つ情報が提供される。例えば、蓄積された会話の分析によって顧客満足度を知ることができる。

 

また営業マネージャーは以下のような画面で、見込み顧客がどれだけいるか、顧客とのやり取りがどれだけ継続できているか、脱落しそうな見込み顧客がどれほどいるか、などを把握することができます。

これは各担当者に一つ一つ確認するよりも、明確かつ幅広く知ることができ、今後どこにどの程度注力していくかを判断する材料になると言えるでしょう。

Conversica管理画面

Conversicaの成果を確認する管理画面(出典:Conversica)

 

所感

自社のWebサイトに来た見込み顧客を全てフォローしようとしても、やみくもに同じような返信を繰り返すだけでは手が回らなかったり、手応えを感じるのが難しかったり。その中で抜けや漏れが発生し、気づかないうちにチャンスを喪失しているかもしれません。それらを打開するためにも思い切ってAIに任せるのは、顧客コンタクトの確実性という点でも、人員の効率的な活用という側面から見ても、よい手段に思えます。

ただ、このアメリカのサービスに対し、日本人としてやはり気になるのは、はじめて接触する顧客にAIが作成したメール文面で失礼が起きないかという点です。言い回しなど、日本語は英文よりかなり複雑と思いますが、メールの書き方・表現の仕方などは工夫できる余地も多いでしょうから、日本でもこのようなサービスの活用は近いうちに広がっていくかもしれません。

その一方、何度も熱心に連絡をしてきてくれたメール相手が、実は緻密にプログラミングされたAIだと知った時の人間の心理とは・・・非常に興味深いと同時に、導入・普及へのネックの一つとなるのか、あるいはそれらを受け入れる日が来るのでしょうか。

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