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地域ブランディング会社11選。メリットや依頼できることは?

最終更新⽇:2025-06-06

地域ブランディング会社11選。メリットや依頼できることは?

観光客や企業の誘致、特産品のPR、移住・定住の促進など、地域の魅力を効果的に発信したい方へ。地域ブランディング会社のメリットや依頼できることとともに、おすすめの会社を紹介します。

地域ブランディング会社とは?

地域ブランディング会社とは、地域資源の発掘や課題解決、魅力発信を通じて、地域活性化を支援する企業のことです。専門特化している会社のほか、PR会社やマーケティング会社、コンサルティング会社が一部サービスとして展開している場合も多いです。

地域ブランディングとは?

地域ブランディングとは、地域固有の資源や価値を掘り起こし、魅力ある形で発信・展開することで、地域の活性化を目指す取り組みです。観光客や企業の誘致、特産品の売上拡大、移住・定住促進といった目的で行われており、近年は関係人口の創出や地域経済の循環促進といった観点でも注目されています。

こうした取り組みは、地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)が中心となって進めるのが一般的です。DMOは、地域の観光戦略を立てたり、関係者をまとめたりする役割を担う組織で、地域住民や地元企業、商工団体、NPOなどと連携して活動します。

実際に観光商品をつくったり、サービスを運営したりする現場の仕事は、旅行会社などのDMC(Destination Management Company)と呼ばれる事業者が担当することもあります。

地域ブランディングに実績のある専門会社に依頼すれば、地域課題に応じた施策の立案や、情報発信体制の整備、長期的な運用支援までを一貫して受けられます。現場の事務局機能を補完する支援にも対応しているため、継続的な地域活性化を実現しやすくなります。

地域ブランディング会社のメリット

地域ブランディング会社に依頼するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

地域が主体となって動ける体制づくりの支援

地域の景観や歴史、食文化などをブランド化するには、継続的な発信が欠かせません。一度きりの取り組みでは十分な成果が得られにくいため、地域自らが主体的に動けるような体制を整える必要があります。

地域ブランディング会社は、将来的な“自走”を見据えた仕組みづくりを支援します。関係団体との役割分担や予算の見直し、次世代のリーダー育成といった側面からも、持続可能な運営体制の構築をサポートします。

専門人材や協業パートナーの発掘・連携

地域ブランディングには、観光やデザイン、マーケティング、補助金申請の専門家など、分野をまたいだ知見が求められます。初めて取り組む自治体や団体にとっては、こうした専門家を一から探して連携体制を築くのは簡単ではありません。

地域ブランディング会社なら、全国のパートナーや専門家とのネットワークを活かし、目的に応じた人材とのマッチングや協業体制の構築をサポートすることが可能です。

事務局運営力の強化

地域ブランディングをスムーズに進めるためには、事務作業や各種手続きを担う事務局が必要です。しかし、知識や経験がなく、事務局の運営に不安を抱えているケースも多いでしょう。

地域ブランディング会社のなかには、事務局運営業務を代行しているところも。効果的な運営に関するノウハウを提供し、運営力強化につながる支援も受けられます。

地域ブランディング会社への依頼の流れ(できること)

依頼の流れに沿って、地域ブランディング会社に依頼できる内容を紹介します。

1.方針策定支援

まずはヒアリングや現地調査を通じて、地域が抱える課題や実情を把握。景観・食・歴史・文化などの地域資源を洗い出し、それらをどのようにブランド化していくかを検討します。

次に、どのようなターゲットに何を伝えるのかといった方向性を明確化し、住民・自治体・地元企業などの関係者と目線を合わせながら合意形成を進めていきます。

2.ブランド・商品開発

地域ブランディングの方針が固まったら、地域資源の発信に向けてコンセプトを設計。コンセプトを正確に伝えられるよう、細部まで言語化します。コンセプトの確定後は、ブランドや商品としてアイデアを具体化。必要に応じて専門家やクリエイター、旅行会社といった外部の協業パートナーとも連携して進めていきます。

そのほか、事務局の整備や施策に適した受け入れ体制を整えるなど、情報発信までの準備を行います。

3.プロモーション

完成したブランドや商品を、Webサイト・SNS・映像・イベントなどを通じて発信します。単発で終わらせず、定期的に情報を発信し続けることで、ファン層の形成や認知度の向上を図ります。

最近では、地域キャラクターやストーリー性を活用したコンテンツ発信、動画プロモーションによるエンゲージメント向上なども重視される傾向にあります。

4.継続的なフォロー

事業が一時的なものに終わらないよう、関係者との役割調整や、次世代人材の育成、地域住民との継続的な対話を支援します。

たとえば、関係人口の拡大を目指した交流プログラムの設計や、地元の事業者を巻き込んだ運営体制の構築支援などを通じて、地域が主体となって取り組みを継続できるように後押しします。

地域ブランディング会社のタイプ別の選び方

地域ブランディング会社は、対応している領域や強みによって、以下のタイプに分けられます。

1.方針策定支援からフォローまで対応

方針決めから継続的なフォローまで、ワンストップで支援するタイプ。地域資源の発掘、コンセプト設計、商品開発、プロモーションなど、幅広い業務に対応しています。「地域ブランディングの方針をイチから一緒に考えてほしい」「計画の実行も含めて長く伴走してほしい」と考えている場合におすすめです。

たとえば「株式会社地域ブランディング研究所」では、方針策定、商品開発、組織育成などをトータルでサポート。将来的には地域で自走することを目指し、事業を軌道に乗せる支援をしています。

「株式会社イースト」は、リサーチやマーケティング、計画立案、宣伝などを網羅的に支援。自治体や住民とのコミュニケーションに力を入れ、同じ目線に立ったうえで地域の課題解決を目指します。

2.プロモーションに強み

地域の風景や文化などの“見せ方”に特化したプロモーションを得意とするタイプです。動画制作やデザイン、キャッチコピー開発など、魅力を伝える表現力に強みがあります。PR会社やメディアとも連携し、「既にブランド化した資源を効果的に発信したい」「外部への認知を高めたい」という場合に適しています。

たとえば「株式会社JTBコミュニケーションデザイン」では、クリエイティブやアートを起点とした地域ブランディングを展開。地域の魅力をキャラクターやキャッチコピーなどで具現化し、プロモーションを行っています。

「株式会社アッシュ」は、プロモーション動画やCM動画による地域ブランディングを提供。観光需要の拡大や移住・定住の促進、地域活性化などをサポートしています。

3.特定のブランディング手法に特化

「食」「商品」「体験」など、特定の切り口から地域ブランディングを行うタイプです。すでに活かしたい資源や方向性が明確な場合に向いています。

たとえば「株式会社オフィス内田」は、商品に特化した地域ブランディングを実施。地域の新たな名物を生み出すアドバイスをしたり、物産展で反響が出るコツをサポートしたりしています。

「株式会社ABC Cooking Studio」では、「食」を起点とした地域ブランディングを展開。地域の食材を活かしたレシピ開発や料理教室の開催などにより、地域活性化に貢献しています。

おすすめの地域ブランディング会社(方針策定支援からフォローまで対応)

地域ブランディング会社は、手掛ける領域や提携する協業パートナー、予算などによって料金が大きく異なります。料金については、各地域ブランディング会社へ問い合わせが必要です。

株式会社地域ブランディング研究所

株式会社地域ブランディング研究所公式Webサイト

(出所:株式会社地域ブランディング研究所公式Webサイト)

観光戦略の立案から地域資源の発掘、商品開発、情報発信、組織・人材の育成までを一貫して支援する、地域ブランディングに特化した会社。
地域の特性を活かしながら、地域が自立して成長し続けられるように、自治体や地域団体と二人三脚で体制づくりを進めているのが特徴。
支援プロセスは、「戦略立案」「商品開発」「編集組立」「組織育成」の4ステップで構成されており、地域課題の分析から中長期の方向性の策定、観光体験コンテンツの開発、共感を生むデザイン・広報、若手リーダー育成に至るまで、多面的な支援を提供している。
補助金の活用や財源確保に関するアドバイスも行っているほか、20カ国・2,000社超の海外旅行会社とのネットワークを活かした海外向けプロモーションにも対応している。

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パドルデザインカンパニー株式会社

パドルデザインカンパニー株式会社公式Webサイト

(出所:パドルデザインカンパニー株式会社公式Webサイト)

地場産業の活性化に向けた支援を行うブランディング会社。方針策定、コンセプトやブランドの開発、継続的なプロモーションなどをワンストップで提供。現地調査や地域住民との対話にも時間をかけ、地域に眠っている資源を発掘し、ブランドとしてデザインしている。プロモーションにおいては、Webサイト、SNS、動画・映像、紙媒体など、幅広い情報発信ツールをカバー。一貫したブランドイメージが伝わるように具現化している。
ほかにも地域ブランドを発信する機会として、各種イベントを複数回にわたって実施。その地域ならではの資源を継続的にアピールし、認知拡大を図っている。

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株式会社ジェイアール東日本企画

株式会社ジェイアール東日本企画公式Webサイト

(出所:株式会社ジェイアール東日本企画公式Webサイト)

地域の新たな価値創造や地域振興をサポートする、JR東日本グループの広告会社。交通広告や観光プロモーションの実績を活かし、地域の価値創造や課題解決に向けた取り組みを幅広く展開している。観光列車のプロデュース、酒蔵ツーリズムの支援、地産品の販路拡大、海外向けPR、大規模イベントの企画・運営など、地域の魅力を引き出す多彩な支援に対応。
自治体との包括連携協定を通じて、地域が自立・自走できる体制づくりを重視。「人材育成」「主体性の醸成」「事業化の推進」「継続性の確保」といった視点から、多様な課題に寄り添う支援を行っている。また、地域創生プラットフォーム「チームiCHi」では、約200人の専門家ネットワークを活用し、地域ごとに最適なソリューションを提供。アジア圏への展開も視野に入れている。

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グラムコ株式会社

グラムコ株式会社公式Webサイト

(出所:グラムコ株式会社公式Webサイト)

地域資源のリサーチや分析、ブランドコンセプト・商品の開発、Webサイトの構築を含む広報活動などを提供するブランディング会社。
特定の工芸品などを対象とした「モノ」のブランディングと、複数の地域や自治体単位の「場」を対象としたブランディングの両方に対応している。モノを起点とした地域ブランディング事例としては、東京の伝統工芸品を世界に発信するプロジェクト「江戸東京きらり」に参画し、プロジェクト全体のブランド設計やシンボルマークの開発を支援。場を起点とした事例としては、東京都の有人離島11島を対象とした「東京宝島」で、島々を象徴するシンボルマークの開発を手掛けた実績を持つ。

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ミテモ株式会社

ミテモ株式会社公式Webサイト

(出所:ミテモ株式会社公式Webサイト)

地域の人口減少に歯止めをかけるため、地域ブランディングに取り組んでいる会社。地域イメージの向上、来訪者の増加につながる支援、移住や定住の促進などを行っている。
たとえば、デザインやマーケティングの専門家と協力し、中小企業の独自技術や地域資源を活かしたブランド開発を実施。地域経済の活性化や事業者の自走支援、付加価値の高い事業創出などを手掛けた。名古屋ではこの取り組みが「FUXION(フュージョン)プロジェクト」として発展し、中小企業に新たなブランドを生み出す支援をしている。

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オフィスカナン株式会社

オフィスカナン株式会社公式Webサイト

(出所:オフィスカナン株式会社公式Webサイト)

青森県内や東京都の自治体・企業を中心に、地域ブランディングを展開している会社。市区町村独自の資源を発掘し、認知拡大のためのブランディングやプロモーションなどを手掛けている。国勢調査や商業統計などのデータを使った、マーケティング調査も依頼可能だ。
「総合プロデュース(コンサルティング)」サービスでは、地域活性化や人流の創出、価値向上を目指した解決策を提案。自治体や地域の事業者とコミュニケーションを重ね、具体的な方針策定へのアドバイスを行っている。

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株式会社イースト

株式会社イースト公式Webサイト

(出所:株式会社イースト公式Webサイト)

150以上の商業施設の運営に携わったノウハウを活かし、地域ブランディングを支援している会社。地域資源発掘に向けたリサーチから方針の策定、プロモーション、事務局運営までワンストップで実施している。
たとえば熊本県山鹿市では、熊本ワインを起点とした農業振興・観光拠点創出をサポート。ワイン醸造所や地産ショップ、販売型施設、観光連携施設などを包括的にプロデュースした事例を持つ。
そのほか、訪日客向けマーケティング、観光資源調査、インバウンドプロモーションなど、多様な地域課題に対応している。

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おすすめの地域ブランディング会社(プロモーションに強み)

株式会社JTBコミュニケーションデザイン

株式会社JTBコミュニケーションデザイン公式Webサイト

(出所:株式会社JTBコミュニケーションデザイン公式Webサイト)

地域活性プロモーションや地域ブランディングの総合プロデュースを手掛けている会社。「ツーリズム」分野を中心にクリエイティブを起点とした取り組みに強みを持ち、地域の魅力を顕在化させ、最適なメディアで展開している。
たとえば、北海道斜里郡斜里町では、ローカルキャラクターを中心とした「知床ブランディング」を実施。知床の多様なイメージを宣伝するほか、キャラクターをグッズやイベントに活用し、新たな収益事業を創出。人々とのコミュニケーションと収益化の両面から、地域で自走できるブランディングをサポートしている。そのほか、鉄道・沿線のよさを伝えるクリエイティブ制作やイベントを実施した事例も。

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株式会社アッシュ

株式会社アッシュ公式Webサイト

(出所:株式会社アッシュ公式Webサイト)

映像・動画といったクリエイティブの企画・制作を軸に、地域ブランディングを行っている会社。地域の特性や価値をクリエイティブによって可視化し、観光需要の拡大や魅力向上に向けた情報発信をサポートしている。
手掛けた事例として、たとえば和歌山県有田郡広川町の観光PR動画では、四季折々の風景や、ふるさとの温もりを感じる映像を制作。日本遺産に登録されている防災遺産「百世の安堵」だけに留まらない、広川町の魅力を発信した。
全省庁の入札に参加するための資格「全省庁統一資格」を取得している。

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おすすめの地域ブランディング会社(特定のブランディング手法に特化)

株式会社オフィス内田

株式会社オフィス内田公式Webサイト

(出所:株式会社オフィス内田公式Webサイト)

商品を軸とした地域ブランディングに強みを持つ会社。「売れる商品づくり」と「売れる仕掛づくり」によって、地域の魅力を広めている。商品の特性にあわせたプロモーション設計、ECサイトの整備、商品PV制作などに関するアドバイスも可能だ。自治体や行政と協力したイベント、商談会の企画・運営など、生産者と企業をつなぐ機会も提供している。
消費者目線を重視した商品開発も手掛け、地域が売りたいと思っている商品と、実際に売れる商品の溝を埋めるようなサポートを行っている。

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株式会社ABC Cooking Studio

株式会社ABC Cooking Studio公式Webサイト

(出所:株式会社ABC Cooking Studio公式Webサイト)

料理教室の「ABCクッキングスタジオ」が提供する、「食」を起点にした地域ブランディングサービス。特産品を使ったレシピの開発によって地域の魅力を発信するほか、料理教室の運営サポートやコンサルティングを行っている。
たとえば、石川県七尾市では「里山里海キッチンsupported by ABC Cooking Studio」をオープンし、食育教室や地元企業とのコラボレッスンなどを実施。地産地消の推進や、地域の新たなコミュニティづくりに寄与している。
ほかにも、海外のABCクッキングスタジオと連携したプロモーションも展開。日本製品の輸出促進支援やインバウンドを誘致する取り組みも手掛けている。

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まとめ

観光客や移住者の誘致、特産品の売り上げ向上などを目的に、地域特有の魅力の発見や課題解決をすることで、地域活性化につなげる地域ブランディング。豊富な経験・ノウハウを持つ地域ブランディング会社に依頼すれば、「方針策定支援」「ブランド・商品開発」「プロモーション」「継続的なフォロー」など、必要に応じたサポートを受けられます。

また、地域ブランディング会社に依頼することで、地域での自走化や、適切な協業パートナーの発掘・連携、事務局の運営力強化といったメリットも期待できます。

地域ブランディング会社は対応範囲や強みを持つ領域によって、以下のタイプに分けられます。

  1. 方針策定支援からフォローまで対応
  2. プロモーションに強み
  3. 特定のブランディング手法に特化

「どの工程を依頼したいか」「どのような方向性で地域ブランディングを行いたいか」などを踏まえて、地域ブランディング会社を検討してください。