カスタマーサクセス代行会社の比較9選。依頼内容やタイプは?
最終更新⽇:2024-10-01
カスタマーサクセスをアウトソーシングすることで、即戦力となる専門人材の確保や、サービス解約率の低減、アップセル・クロスセルによる売上増加を実現したい方へ。カスタマーサクセス代行会社の利用メリットや、自社に合った代行会社の選び方について紹介します。
目次
カスタマーサクセス代行会社とは?
カスタマーサクセス代行会社とは、依頼企業のカスタマーサクセスを代行し、業務支援を担う会社のことです。「カスタマーサクセスに強い人員をすぐに確保したい」「プロのノウハウにより自社サービスの定着率向上、売上増加をはかりたい」といったニーズを持つ企業の組織内に加わり、カスタマーサクセスを支援します。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、ユーザーの疑問や不満を解消し、より効果的にサービスを利用してもらうための活動全般を指します。企業側から働きかけるのが一般的で、能動的なコミュニケーションを取ることでユーザーの定着率アップをはかったり、上位商材や関連商材の提案「アップセル&クロスセル」を推進したりします。
ちなみに、企業によってカスタマーサクセスの活動方法は様々です。上記のように代行会社を使う企業もあれば、売上や契約情報、ユーザーとの会話履歴を管理する専用ツールを使って自社で取り組む会社もあります。
カスタマーサクセスツールについては「カスタマーサクセスツール13選。機能や効果をタイプ別に紹介」をご参照ください。
代行会社を使うメリット
カスタマーサクセス代行会社を使うメリットは、大きく2つ挙げられます。
1. カスタマーサクセスの即戦力となる人材をすぐに確保できる
代行会社を使えば、カスタマーサクセスの支援に長けた専門人員をすぐにアサインできます。経験豊富な専門メンバーの支援によって、サービスの解約抑止やユーザーの満足度向上、更なる売上増加につなげられます。
2. カスタマーサクセスの専門知識、ノウハウの取得
代行会社によっては、専任担当者が直接、依頼企業のカスタマーサクセスチームに参加。戦略設計からオンボーディング、アップセル・クロスセルに伴走するため、間近でプロのノウハウを得ることができます。他社の成功事例を紹介してもらい、自社に活かせるのもメリットです。
そのほか、社員向けの研修や、カスタマーサクセス継続のための組織マネジメントを担う代行会社も。カスタマーサクセスの内製化を視野に入れた戦略設計や支援に強い会社もあります。
カスタマーサクセス代行会社に依頼できること
カスタマーサクセス代行会社は、BtoB向けSaaSを中心に、様々な業界のカスタマーサクセスを支援します。代行会社によって支援範囲は異なるものの、主なステップは以下の通りです。
①現状分析 | 依頼企業の実情や課題をヒアリングしたうえで、ユーザーの性質や解約リスクを分析 |
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②戦略設計 | 分析結果をもとにカスタマーサクセスのゴールを設定し、戦略設計や体制づくりを実施 |
③オンボーディング支援 | オンボーディングに伴走し、利用実態の把握やユーザーの評判・不満をヒアリング |
④継続的改善 | ユーザーが抱える課題の改善支援とアップセル・クロスセルの提案 |
依頼できる内容は大きく分けて①・②部分の「戦略設計支援」と③・④の「実行支援」です。それぞれ、具体的に依頼できる項目を見ていきましょう。
戦略設計支援
VOC収集 |
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CX設計 |
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業務アセスメント |
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業務設計 |
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組織体制構築 |
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実行支援
オンボーディング |
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企業への改善提案 |
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アップセル&クロスセル |
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研修&ワークショップ |
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カスタマーサクセス代行会社のタイプ
カスタマーサクセス代行会社のタイプは、大きく3つに分けられます。
1.戦略設計から実行、組織のマネジメントも支援するタイプ
カスタマーサクセスにおいて、依頼企業の戦略設計から伴走し、サービスの定着率や売上アップのための組織マネジメントも支援するタイプ。カスタマーサクセスチームの体制強化をはかりたい企業や、いずれカスタマーサクセスの内製化を見据えている企業におすすめです。
たとえば「セイヤク」は、カスタマーサクセスチームを初めて立ち上げる企業も安心。25年以上にわたり、中堅・中小企業からエンタープライズ規模の企業案件を支援してきた専門メンバーが、ノウハウを共有しながらチームの構築支援を担います。
「プロセルトラクション」は、「業界・ビジネスモデル・事業フェーズ」といった各象限において発生しがちな課題に対する対策ノウハウが豊富。依頼企業が展開するサービスの属性を踏まえた戦略設計を打ち出し、カスタマーサクセスを支援します。
2.業務の実行支援に強みのあるタイプ
ユーザーへの手厚いサポートとともに、解約防止や売上増加にアプローチする、実際の業務支援に強みのあるタイプ。電話やメールなどで顧客とコンタクトするといった業務にリソースを割くのが難しい企業、カスタマーサクセスの実行支援を一括して任せたい企業に適しています。
「ハジマリ」の場合は、ユーザーから吸い上げた声を、カスタマーサクセスだけではなくプロダクト部門などの他部署にもフィードバック。社内への情報共有を密に行うことで、ユーザーのリレーション強化に貢献します。
「CCリレーション(株式会社エグゼクティブ)」は、システム開発やWeb制作など無形商材のカスタマーサクセスが得意。アピールポイントの説明が難しい商材の強みを的確に押さえて、ユーザーへ最適なアプローチを行います。
3.コールセンタータイプ
コールセンターを起点としたタイプのカスタマーサクセス代行会社。経験豊富なオペレーターが、ユーザーを丁寧にフォローします。
たとえば、「かんでんCSフォーラム」は電話だけでなく、メール・チャット・アプリなどツールに合わせた多様な手段でユーザーをサポート。「facing」は、ユーザーのフォローから一歩踏み込み、解約阻止やアップセル・クロスセルによる単価アップの提案も積極的に実施します。
カスタマーサクセス代行会社の比較ポイント
上記で紹介したタイプを確認した上で、以下3つの比較ポイントも押さえておきましょう。より自社のニーズに合ったカスタマーサクセス代行会社を見つけられます。
1.代行サービスの品質の担保
カスタマーサクセスの代行担当者によって、対応スキルや品質にばらつきがないよう、代行サービスの品質が担保されるような仕組みがあるかをチェックしましょう。
たとえば、「パーソルプロセス&テクノロジー」は、セールス領域の考え方や方法論を体系化した独自のフレームワーク「B-AEMS」を活用。メソッドに則りクオリティの平準化をはかるため、担当者やプロジェクトによって品質がバラつくリスクを回避することができます。
「セレブリックス」は、ユーザーが自社のサービスを継続するか否かを「ヘルススコア」と「マーケットスコア」を用いて数値化。解約リスクを定量的な根拠で示し、データをもとに戦略設計、支援を実施します。
2.自走を見据えた支援体制の充実度
カスタマーサクセスをゆくゆくは内製化していきたい場合、社員向け研修やノウハウのレクチャーなど、自走を見据えた支援が充実した代行会社を選ぶのがおすすめです。
たとえば「パーソルプロセス&テクノロジー」では、ニーズに合わせた各種研修やワークショップが充実。「プロセルトラクション」は、一連の活動で得たナレッジをマニュアル化して、カスタマーサクセスのプロセスを標準化する仕組みが整えられています。
一方、「セレブリックス」は戦略設計の段階から、依頼企業がサービスを自走して利用できるようなプログラムを組むのが特長です。
3.料金体系
カスタマーサクセス代行サービスの料金は、利用期間や代行に要する人数、ミッションによっても大きく変動するため、各社から見積もりを取ることが前提となります。
一例として、料金を公表している「CCリレーション」では、「基本料金・月額10万円+結果による成果報酬型」となっており、月々の予算上限を設定して、予算内での活動を依頼することもできます。
「facing」は、「架電のみ」「架電+受電」「BPOすべて」の大きく3種類の料金体系でサービスを展開。具体的な金額は公開されていないものの、比較的料金イメージがつきやすいと言えるでしょう。
おすすめのカスタマーサクセス代行会社(戦略設計・組織構築にも対応するタイプ)
チームの構築から、育成を含め、カスタマーサクセスをトータルで支援、代行するサービスを紹介します。
パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)
(出所:パーソルプロセス&テクノロジー公式Webサイト)
自社独自のセールスメソッドを活用したカスタマーサクセス代行会社。約130以上のノウハウを蓄積したメソッド「B-AEMS」に則り、プロジェクトの難易度や担当者の力量に左右されないカスタマーサクセスを提供。加えて、専任担当者がユーザー獲得や解約防止へ働きかけるのはもちろん、プロジェクトの立ち上げから運用を通して依頼企業の課題解決に伴走。オンボーディングでの状況を踏まえた戦略のブラッシュアップにも柔軟に対応するため、安定的にカスタマーサクセス体制の底上げをはかることができる。
ゆくゆくは、カスタマーサクセスを内製化していきたい企業のニーズにも対応し、社員向けの研修制度やワークショップも充実している。
- 料金:要問い合わせ
セレブリックス(株式会社セレブリックス)
(出所:セレブリックス公式Webサイト)
データと数値に基づいた合理的なカスタマーサクセス支援に強みを持つ代行会社。戦略設計の段階で、将来的にカスタマーサクセスの自走を見据えたプログラムを策定するのが特長。また、サービスの解約リスクを数値化した「マーケットスコア」や「ヘルススコア」をもとに、感覚に頼らない合理的な仕組みづくりに注力している。
日常業務の更なる効率化をはかれるよう組織体制の構築にも強みを発揮。たとえばオンボーディング中、ユーザーに混同されがちな「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の役割を明確化。カスタマーサクセスでなくても解決できる問題は積極的にサポートデスクを案内するなど、踏み込んだ体制づくりに積極的だ。
- 料金:要問い合わせ
セイヤク(株式会社ウィルオブ・ワーク)
(出所:セイヤク公式Webサイト)
25年以上にわたり、業界や商材を問わず多くの企業支援に携わってきた実績豊富なカスタマーサクセス代行会社。初めてカスタマーサクセスチームを立ち上げる企業も安心で、まずは専門チームの作成や人員配置の段階からスタート。
顧客との長期的な関係構築を重視し、ユーザーへの丁寧なアプローチを重視したオンボーディング支援や、アップセル・クロスセル支援など、顧客のLTV向上に貢献できるサービスを提供。効率的な営業体制の構築を実現するとともに、カスタマーサクセスの内製化にも適している。サービスの推奨度をはかる指標「NPS」の調査や、指標向上のための施策立案、運用も任せられる。
カスタマーサクセスの内製化を目指す企業のために、専門メンバーが一定期間常駐し、実務を通してノウハウを惜しみなく共有するスタイルも特長。
- 料金:要問い合わせ
プロセルトラクション(株式会社プロセルトラクション)
(出所:プロセルトラクション公式Webサイト)
依頼企業の目指すゴールから逆算することで、カスタマーサクセスにおける最適な業務設計を支援する代行会社。過去の支援実績をもとに「業界」「ビジネスモデル」「事業フェーズ」といった各顧客の状況に最適なカスタマーサクセスを設計・支援することに長けている。状況やフェーズごとの経験豊富な人材がアシストするので、「ある特定の分野に長けたカスタマーサクセススキルを持った人材が欲しい」といったシチュエーションにもおすすめ。
一連の活動で得たナレッジをマニュアルやデータにわかりやすく落とし込み、カスタマーサクセスのプロセスを標準化するまで伴走してくれるのも心強い。
- 料金:要問い合わせ
コムレイズ(株式会社コムレイズ・インキュベート)
(出所:コムレイズ公式Webサイト)
企業の事業特性に最適化されたカスタマーサクセス体制の構築を支援する代行会社。事業に合わせたシナリオ設計からオンボーディング、アップセル・クロスセルの提案など、カスタマーサクセスの一連の活動を支援する。オンボーディングを通して得られたフィードバックを、事業検証や商品改善につなげることで、顧客満足度向上と事業成長を促進。顧客の声や競合情報を詳細に分析し、サービス改善に活かしている。
マーケティング支援にも強みを持っており、カスタマーサクセス代行と並行利用することで、より効果的なユーザーアプローチにつなげることができる。
- 料金:要問い合わせ
おすすめのカスタマーサクセス代行会社(実行支援に強みのあるタイプ)
顧客とのコミュニケーション強化や、適切なアプローチなど、カスタマーサクセス業務の実行支援に強みのあるサービスを紹介します。
ハジマリ(株式会社ハジマリ)
(出所:ハジマリ公式Webサイト)
ユーザーとの積極的なコミュニケーションを重視し、営業プロセスの最適化をはかるカスタマーサクセス代行会社。「使い方がわからない」「社内で定着しない」など、ユーザーの抱える悩みを漏れなくキャッチアップ。更に、ユーザーからの声はカスタマーサクセスだけでなく、プロダクトなどの他部門にも時間差なく共有。情報連携体制を全社的に強化することで、ユーザー満足度の向上にアプローチする。
かゆいところまで手が届く支援を行っているため、カスタマーサクセスにリソースを割くのが難しい企業や、一連の業務を任せたい企業におすすめ。必要に応じて、リードナーチャリング支援サービスも活用できる。
- 料金:要問い合わせ
CCリレーション(株式会社エグゼクティブ)
(出所:CCリレーション公式Webサイト)
法人向けの新規営業を支援するカスタマーサクセス代行会社。月間約60社の営業アウトソーシングを担っており、システム開発やWeb制作、コンサルティングなどの無形商材支援が得意分野である。
電話やメールでユーザーの活用状況や課題をヒアリングするとともに、専用の営業管理ツールでコンタクト履歴や継続率を管理。ユーザーから挙がった質疑応答事例をマニュアル化するサービスも実施しており、日々のカスタマーサクセス効率化をはかる取り組みが充実。アップセル・クロスセルやリファラル営業といった、売上増加に向けたアプローチも任せられる。
料金は「基本料金・月額10万円+結果による成果報酬型」。費用感をつかみやすいのもポイント。
- 料金:月額10万円+結果による成果報酬型
おすすめのカスタマーサクセス代行会社(コールセンタータイプ)
カスタマーサポートにも強みのある、コールセンタータイプのカスタマーサクセス代行会社を紹介します。
かんでんCSフォーラム(株式会社かんでんCSフォーラム)
(出所:かんでんCSフォーラム公式Webサイト)
関西電力の100%子会社として設立され、関西電力グループのマーケティング機能を担う企業によるBPOサービス。クラウドサービスやSaaS、ASPを提供する企業のカスタマーサクセスを代行する。LINE公式アカウントを活用したツールでのサービス利用促進や、人事労務管理クラウドサービスでのサポートなど、多種多様なツールを用いた支援を担ってきた実績を持つ。
経験豊富なオペレーターが在籍しており、電話、メール、チャット、アプリなど、顧客とのあらゆるコミュニケーションチャネルに対応できるため、多様なツールを扱う企業におすすめ。
カスタマーサクセスの拠点ごとアウトソーシングしたり、チームに常駐してもらい運営を任せたりすることも可能。
- 料金:要問い合わせ
facing(facing株式会社)
(出所:facing公式Webサイト)
カスタマーサクセスとインサイドセールスを統合したサービスを提供する代行会社。「攻めのコールセンター」をコンセプトに、きめ細かいユーザーフォローはもちろん、解約阻止やアップセル・クロスセルによる単価向上など能動的なカスタマーサクセスも実施。同社独自の採用と教育ノウハウにより、セールス成約率80%を記録している。
大企業からスタートアップまで組織規模を問わず導入可能であり、料金体系は業務範囲にあわせて3つのプランから選べる。コンスタントにリードを獲得する仕組みがある程度整っている企業や、ユーザーへの能動的なアクションまで手が行き届いていない会社に適している。
- 料金:要問い合わせ
まとめ
カスタマーサクセスは、顧客との関係性を強化し、解約率の低減、売上の増加、そしてサービスの成長を促進する重要な戦略です。本記事では、カスタマーサクセス代行会社の活用方法と、その選び方について詳しく解説しました。
代行会社は大きく以下の3つのタイプに分類されます。
①戦略設計・組織構築にも対応するタイプ
カスタマーサクセスの戦略立案から組織づくりまでを包括的に支援
②実行支援に強みのあるタイプ
顧客とのコミュニケーションや具体的なアプローチに強み
③コールセンタータイプ
電話やメールなどを通じた顧客サポートを中心に提供
タイプを選んだら、次の比較ポイントで自社に適した代行会社を絞り込むとスムーズです。
①代行サービス品質の担保方法
②内製化を見据えた支援体制の充実度
③料金体系の透明性と柔軟性
カスタマーサクセスの重要性を認識しつつも、リソースや知識の不足に悩む企業にとって、カスタマーサクセス代行会社の活用は効果的な選択肢となります。