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入社後も活用し続ける適性検査「INOBER」|スタートアップインタビュー

2017.12.25 Mon

人事

INOBER_山田邦生氏

目次

この「スタートアップインタビュー」では、サービスができたばかりのこれからの飛躍が期待される企業やサービスを対象にインタビューしています。

第1回は、採用や組織活性化のための適性検査サービス「INOBER」を提供する株式会社Meta Anchor代表取締役の山田 邦生さんへのインタビューです。

適性検査は自社に合った人材を採用するために以前から広く利用されていますが、この分野で新たにサービスを作られたということは、まだまだ課題があるということなのでしょう。それは何かという好奇心もありお話を伺ってきました。

 

――本日はよろしくお願いします。早速ですが、INOBER誕生までを教えていただけないでしょうか。

前職を退職した後に、INOBERの本格開発に着手しました。最初はTECH::CAMPに通いながら、自分でプログラミングしました。2016年12月にベータ版が完成し、無料版を限定公開でリリースしました。

ベータ版では約50社のユーザーからフィードバックをいただきながら、改善を重ねてきました。改善が進み、有料でも利用いただけるサービスになったと判断し、2017年10月にINOBERを正式リリースしました。

 

――なぜ適性検査サービスに着目されたのですか?

前職の人材紹介会社の在籍時の問題意識がきっかけです。MS-Japanでは、企業に求職者を紹介する営業と求職者のカウンセリングを行うキャリアカウンセラーの両方の立場で携わってきました。キャリアカウンセラーとして、合計1,000人くらいお会いさせていただき、4年間で合計100人以上の転職を実現してきました。

その中で、とても残念だなぁと思うことがありまして、それが採用のミスマッチです。転職される方のご希望がかなって、折角入りたいと思っていた会社に入社したのに、その会社に合わなくてすぐに辞めてしまったケースを何度も見てきました。

スキルが合わないなら仕方ない面もありますが、そうではなくて、入社した会社の文化や組織・上司と合わずに辞めてしまうケースが多くありました。例えば、とても感受性豊かで対人能力が高い方がいたのですが、入社先の上司が、人間味が薄いタイプでロジカルに徹底的に詰めるという方で、結果的にストレスの影響が顔にも出るような状況になり、早期退職となってしまいました。

この残念なミスマッチを減らすためにどうすればよいか、そう考えた時に浮かんだのが適性検査です。

 

――たしかに、ミスマッチは求職者も企業も不幸ですよね。適性検査サービスはいろいろありそうですが、ミスマッチを減らすために何か足りないことがあったのですか?

これまでの使い方だと、採用時に「入社後にトラブルを起こす可能性はあるか」、「メンタル面で問題はないか」という、不適合の可能性を見つける利用目的がほとんどでした。折角のその方の性格や志向がわかっても、採用時の足切りにしか利用せず、入社後の活用に活かすという発想が乏しいのが実態でした。

採用時に入社後の活躍まで見越して検討すれば、採用のミスマッチは絶対に減るはずです。

 

――企業側はなぜ適性検査の結果を活かそうと思わないのでしょうか?

企業側は適性検査の結果を活かすことに関心がないわけではないものの、「活かし方がわからない」、「活かそうと思っても活かせるデータがない」というのが課題でした。通常、適性検査の結果は、結果だけが紙かWeb画面で渡されるのですが、これだけでは、どの数値とどの数値で分析すればよいか、そもそも多人数のデータをどこから取得するかという問題がありました。

ただし、最近では人材採用難や若手のキャリア志向の変化などもあり、企業の人事担当者はこれまで以上に、人材活用策・人材活性化策に取り組む必要が出てきました。その推進手段として適正検査のデータ活用が役立つと考えています。

 

――それでは、INOBERには分析し、活用する機能があるということですね?

INOBERでは、まず既存の社員の方に適性検査を受けていただきます。所要時間は15分程度で、スマホやPCなどから回答します。社員の診断データを活用して各部署のカルチャーを見える化しています。

<個々の診断結果例>

INOBER_診断データ

 

その後、求職者に同じ適性検査を受けていただき、システム内のアルゴリズムで、カルチャーのフィット感や既存の社員との相性を測ります。これにより、入社前に、最適な部署や最適な上司は誰なのかの判断に役立てられます。

 <カルチャーのフィット感確認画面>

INOBER_組織カルチャーとのマッチング

もちろん、しっかりとした個別の適性診断結果も出力されるので、様々な角度から、自社に合うかどうか確認することができます。

また、現場のマネージャー向けには自分の部署と所属メンバーのみデータを閲覧できる機能があり、1 on 1などの部下育成の際には、部下の特性を考慮した指導・アドバイスができるようにしています。

このように、INOBERは全社員のデータを継続的に蓄積し、採用時の判断や入社後の人材活用を後押しする分析・活用機能を備えています。

 

――INOBERはどのような方をターゲットにしているのですか?

従業員が50名から300名の企業です。

なかでも、特に「採用力の強化」と「ハイパフォーマンス人材の拡充」に課題を有している企業をターゲットにしています。

 

――採用力の強化といいますと?

ある顧客の新卒採用の事例では、インターンシップの参加者に対して、リクルーターが個別に会社の魅力伝達を行っています。ただし、リクルーターが接触しても応募や内定承諾に結びつかないというケースも散見されていました。その要因をみると、どうやら学生とリクルーターの相性が悪いのでは、という仮説が浮かび上がってきました。

INOBERは学生とリクルーターの双方の特性と相性を明らかにすることができます。そこで、INOBERで明らかにした特性に応じて、学生とリクルーターの最適に組み合わせるという使い方をしています。これによって応募獲得とその後の内定承諾が円滑に行われてきています。

 

――もう一方のハイパフォーマンス人材の拡充はどういうことでしょうか?

企業では、優秀で活躍する人材がいると「ああいう人材をもっと増やしたいな」と思うはずですが、一方で、「あの優秀人材と似たタイプって何?」とどんな人なのか定義が難しいという問題もあります。

INOBERは、人材を「性格特性」、「キャリア志向性」、「思考スタイル」の3つの観点で分析します。企業のハイパフォーマンス人材をこの3つの観点で分析すれば、ハイパフォーマンス人材の共通点が見えてきます。応募者に対して適性検査を行えば、ハイパフォーマンス人材に近い人材なのか把握できるようになります。

INOBERを用いたハイパフォーマンス人材の定義と、採用時の有望度確認に活用していただきたいと思っております。

その他、異動検討の際のシミュレーションにも有用です。異動先のチームの特性はこのようになっており、今度異動させる人は特性の相性の点で、適合しそうか、合わなそうか(例えば、成長志向が特に強い部署に、安定志向の人を異動させて大丈夫か)の判断支援にも役立ちます。

 

――今後の展望を教えてください!

まずは、このINOBERを普及させていくことですが、先も見据えています。

INOBERで人の特性や組み合わせに関するデータが蓄積されてくると、その企業にとってどのような人材が活躍するのかが見えてきます。当社では、INOBERとは別に手掛けている「適職診断NAVI」というサービスと連携させれば、企業にとって最もマッチする人材をAIで自動的に企業に推薦してくれる、ということが実現できます。

そうなると、ミスマッチもなくなり、人のポテンシャルが最大限活かされるような世界になると考えており、そこを目指していきたいと思います。

 

――本日はお話を伺わせていただき、ありがとうございました。

 

所感

採用のミスマッチの防止は共感できますし、何より興味深いのはハイパフォーマンス人材の定義です。うちの優秀なあの人をもっとほしい、と言っても通常は、個別事情すぎて再現できないということがほとんどではないでしょうか。スキル診断の観点も必要なので、適性検査だけで解決するものでもないかもしれませんが、一つのアプローチにはなると思いました。

また、山田さんは「様々な困難はあれど、充実感溢れている状態」と仰るように、気力がみなぎっておられ、私も大いに刺激を受けました!

 

ご紹介したサービスの紹介サイト

 

「INOBER」紹介サイト

「適職診断NAVI」紹介サイト

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