配膳ロボット比較15選。機能やタイプ別の選び方、価格相場
最終更新⽇:2025-07-28

飲食店をはじめ、医療機関や倉庫、オフィスなどに配膳ロボットを導入し、食事や飲み物、器具などの運搬を効率化したい方へ。配膳ロボットの主な機能やタイプ別の選び方、価格相場、比較ポイント(スペック表あり)とあわせて、おすすめのロボットを紹介します。
目次
配膳ロボットとは?
配膳ロボットとは、ファミレスをはじめとする飲食店、ホテル、病院、介護施設などでの料理や飲み物の配膳のほか、器具や備品、カルテなどの運搬業務をサポートするロボットです。
人間や動物を模した親しみやすいフォルムや、AI音声を使った会話機能により、利用客とのコミュニケーションを促進してくれるロボットも。来店時の座席案内や、医療機関での廃棄物の運搬などに利用されているケースもあり、幅広い業種で活用されています。
配膳・運搬や接客をロボットに任せることで、スタッフの負担を軽減し、より注力したい業務にリソースを割けるように。人手不足の解消にもつなげられます。
配膳ロボットの機能
配膳ロボットは主に以下のような機能を備えています。
自律走行
配膳ロボットは自ら周囲の状況を確認し、人間が操作しなくても移動や判断を行う自律型ロボットです。人や荷物といった障害物にぶつかることなく、「客席」といった指定した目的地までスムーズに走行。3Dカメラや複数のセンサーを利用し、ロボット自身の位置を推定しながら環境地図を作成するSLAM技術によって施設をマッピングすることで、最適なルートを自動設定します。
SLAM式でのマッピングのほか、配膳ロボットの走行ルートとなる床や天井にマーカーを貼る「タグナビゲーション式」を採用したロボットもあります。ただし、天井の高さや段差といった制限があったり、レイアウト変更がしにくかったりと課題があるため、現在はSLAM式による自律走行が主流です。
障害物回避
人や物などを避けて、安全に走行する機能です。センサーによってリアルタイムで障害物を検知し、衝突や運搬物の落下などを回避。走行スピードを変えられるロボットや、安定性・免震性に定評のあるロボットもあり、安全に配膳できます。
コミュニケーション
配膳ロボットの中には、音声案内やAIの音声対話機能を活用してコミュニケーションが取れるものも。あいさつやアナウンスなどが行えるロボットを座席案内に活用すれば、待ち時間の解消、話題性や集客力、顧客満足度の向上といった多数のメリットが期待できるように。英語や中国語などの多言語に対応したロボットもあります。
配膳ロボットのタイプ別の選び方
配膳ロボットは、前述したコミュニケーション機能の有無によって「接客向き」「配膳特化型」の2種に大別できます。更に、それぞれ「大容量・複数の運搬に強みを持つタイプ」と「コンパクトな走行に強みを持つタイプ」に分けられます。
以下、本記事で取り上げる15種のロボットをタイプ別にまとめています。
大容量・複数の運搬に強み | コンパクトな走行に強み | |
---|---|---|
1.接客向きのタイプ |
|
|
2.配膳に特化したタイプ |
|
|
それぞれのタイプについて、下記にて解説していきます。
1.接客向きのタイプ
配膳に加え、来客時のあいさつや座席への案内など、接客もできるタイプ。従業員に代わって顧客とコミュニケーションを取りながらの配膳が可能です。このタイプは、積載容量やトレー数、通過できる幅によって、更に2タイプに分けられます。
1-1.大容量・複数の運搬に強み
大容量の積載を強みとし、複数テーブルへの配膳や大量注文に対応したタイプ。広く、席数が多い店舗でも配膳が一度で完了します。
わかりやすい例の一つが、大手ファミレスグループで導入されたことから認知度が高まったPudu Robotics社(以下Pudu社)のネコ型配膳ロボット「BellaBot」シリーズ。1枚あたり10kg積載できるトレーを4枚搭載しており、最大40kgまで運搬できます。「BellaBot Pro」では、トレーのライト調整により対象の料理を顧客にわかりやすく通知し、取り違いの防止に寄与。「手を振る」といった顧客の仕草をフロントカメラで認知するため、より適切なコミュニケーションが期待できます。
より大容量の積載能力を求めるのであれば、オリオンスターロボティクス株式会社が手掛ける「LuckiBot」シリーズの上位版「LuckiBot Pro」がおすすめ。1枚につき15kg積載できるトレーを最大4層設置でき、60kgまで運搬が可能です。認識精度97%のAI会話機能や、高性能のマイクとスピーカー、大型画面に映し出される豊かな表情で、顧客との自然な対話を実現します。
1-2.コンパクトな走行に強み
狭い場所でも通過でき、小回りの利いた走行に強みを持つタイプ。積載容量は小さくなるものの、テーブルの幅が狭くてもスムーズに配膳できるため、小規模な店舗に向いています。
屋内配送ロボットに特化したKEENON Robotics社(以下「KEENON社」)の中でも、コンパクトさに強みを持つのが「DINERBOT T11」。最小通過幅49cmとスマートなボディに大型サイネージを備え、宣伝にも活用できます。
Pudu社でもコンパクトなモデルとして、最小通過幅55cmの「KettyBot」、52cmの「KettyBot Pro」を提供。マーケティングに活用できる大型ディスプレイやカラーバリエーションなどが支持され、導入が進んでいます。
2.配膳に特化したタイプ
配膳や運搬を効率化する、シンプルなロボットを求める場合におすすめのタイプ。このタイプも同様に、積載容量や通過幅によって更に2タイプに分けられます。
2-1. 大容量・複数の運搬に強み
一度に複数の配膳・運搬が行えるタイプ。飲食店や宿泊施設での料理や飲み物の配膳はもちろん、小売店やオフィス、医療現場、倉庫などでも活用できます。
容量に加えてトレーの数が豊富なロボットもあり、Pudu社の汎用配送ロボット「PuduBot 2」では標準3段、最大7段まで調整できるトレーを採用。一度に40kgまで運搬でき、カバーをつけるといったカスタマイズも可能なため、工場では部品、医療機関ではカルテや書類などの運搬に活用されています。
同社では更に、より大容量な「Pudu HolaBot」も提供しています。総積載量60kg、120ℓの大容量で、配膳・下膳をより効率化。飲食店の回転率を向上させるほか、医療機関では医療廃棄物処理の効率を上げ、感染率低下に貢献しています。
2-2. コンパクトな走行に強み
狭いスペースでもスマートに配膳・運搬できるタイプ。少人数で経営する飲食店をはじめ、クリニックでのカルテや器具の搬送、事務所内での軽作業などに適しています。
該当サービスのうち、最もコンパクトなモデルはBear Robotics社が提供する「Servi」シリーズのスタンダードモデル。52cmのスペースを走行できるサイズ感ながら、40kgまでの飲食物や荷物をスピーディーに運搬できます。安定性に優れ、特許を取得した「スタビライジング・トレイ」や、複数台走行を実現するマルチ・ロボット機能など、パフォーマンスを高める機能群も魅力です。
そのほか、KEENON社の「DINERBOT T8」、株式会社Preferred Roboticsの「kachaka Pro」が最小55cmのスペースで走行可能。特に後者は幅24cm×奥行38.7cmの直方体に近い小型ロボットで、工場や歯科・クリニックなどでも導入されています。
配膳ロボットの価格相場
配膳ロボットを導入する際、「メーカーへ直接問い合わせる」または「販売代理店へ相談する」の2つの手段があります。メーカーや代理店によって「買い取り」「リース」「レンタル」といった提供方法は異なり、保証やメンテナンスといったサポート範囲も多岐にわたるため、見積もりを取ったうえで比較検討するのがおすすめです。
以下に料金を公開している配膳ロボットをまとめましたので、費用の目安にしてください。
配膳ロボット名 | メーカー/販売代理店 | 提供形態 | 料金 |
---|---|---|---|
BellaBot | W/ROBO (株式会社電建社) |
買い取り | 309万円 |
KettyBot | 買い取り | 187万円 | |
PuduBot2 | 買い取り | 215万円 | |
Servi アイリスエディション |
アイリスオーヤマ株式会社 ロボティクス事業部 |
レンタル |
|
配膳ロボットを導入するにあたり、補助金や助成金を活用できるケースも(「中小企業省力化投資補助金」や「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」など)。販売代理店の中には、適切な支援を受けられるようサポートしてくれるところもあります。
配膳ロボットの比較ポイント
自社にあった配膳ロボットのタイプや価格相場が掴めたら、下記のポイントに沿って比較しましょう。
広告機能の有無
配膳・運搬に加えて、プロモーションにも活用したい場合は、広告表示が行えるディスプレイを備えたロボットを選びましょう。飲食店や小売店、イベント施設などで特定のエリアを巡回し、おすすめのメニューやサービスなどを案内できます。
たとえば、ボディの正面に18.5インチの大型ディスプレイを備えた「KettyBot」シリーズは、「動く広告」としてマーケティングに活用可能。新メニューやおすすめの案内、パーソナライズされた広告を表示しながら走行し、利用客の目を惹きつけます。
「LuckiBot」シリーズでは、シーンによってモードの切り替えが可能。タッチパネルを「プロモーションモード」に切り替えれば、約10インチのディスプレイに広告や動画を流せます。
他ロボットとの連携可否
店舗・施設内で複数の配膳ロボットを同時に使用したい場合は、他ロボットとの連携機能を備えているとスムーズです。
一例が、Pudu社独自の「PUDU SCHEDULER」を搭載した「BellaBot」。複数のロボットを同時走行させる際、ロボット同士が直接通信し合い、よりよいルートを選択して走行します。
複数台走行を強みとする「Servi」シリーズは、スタンダードモデルから「Servi Plus」までシームレスに連携し、混雑時にも迅速な配膳と高い回転率を実現。繁閑にもスムーズに対応し、既存の業務フローに順応しながら、店舗スタッフが接客といったコア業務に集中できるよう手助けします。
ドアやカバーの有無
感染症対策や安全性の配慮を求める場合は、ドアやカバーが備わっていると安心です。
衛生面に注力している「DINERBOT T3」や「BUTLERBOT W3」では、自動ドアを標準搭載しています。一方、カバーはオプションのケースが多く、「LuckiBot」では感染症対策用カバー、「Servi Plus」ではフードカバーを用意。店舗や施設の環境・状況にあわせて選択することで、適切な運用が見込めます。
配膳ロボットのスペック比較一覧表
各配膳ロボットの基本的なスペックを、タイプ別に一覧化しました。なお、スタンダードバージョンと「Pro」「Plus」バージョンのスペックが同一の場合は、統一して記載しています。
接客向き:大容量・複数の運搬に強み
配膳ロボット | 本体サイズ(cm) | 積載量(kg) | 通過幅(cm) | トレー数 | 稼働時間(h) | 自動 充電 |
---|---|---|---|---|---|---|
BellaBot/ BellaBot Pro |
56.5×53.7×129/ 57× 55×129 |
40 | 70/65 | 4 | 13/11 | - |
DINERBOT T10 | 48.6×55.5×139.9 | 40 | 59 | 3 | 12.5 | - |
LuckiBot/ LuckiBot Pro |
53×50×132/ 55.8×52.5×137.5 |
40/60 | 要問い合わせ | 4 | 10/12 | - |
接客向き:コンパクトな走行に強み
配膳ロボット | 本体サイズ(cm) | 積載量(kg) | 通過幅(cm) | トレー数 | 稼働時間(h) | 自動 充電 |
---|---|---|---|---|---|---|
KettyBot/ KettyBot Pro |
43.5×45×112 | 30 | 55/52 | 3 | 8/11 | ● |
DINERBOT T11 | 46.3×38.4×112.3 | 20 | 49 | 3 | 9 | ● |
配膳に特化:大容量・複数の運搬に強み
配膳ロボット | 本体サイズ(cm) | 積載量(kg) | 通過幅(cm) | トレー数 | 稼働時間(h) | 自動 充電 |
---|---|---|---|---|---|---|
Pudu HolaBot | 54.2×53.4×122.8 | 60 | 70 | 4 | 12 | - |
PuduBot 2 | 58×53.5×129 | 40 | 80 | 3~7 | 12 | ● |
DINERBOT T9/ DINERBOT T9 Pro |
50×52.7×126.6 | 40 | 70 | 4/3 | 18/15 | ●/- |
DINERBOT T3 | 49.6×62.3×135.1 | 40 | 75 | 3 | 12 | - |
BUTLERBOT W3 | 45.9×54.9×108.1 | 20 | 70 | 2(4スペース) | 12 | - |
Delivery X1/ Delivery X1 Pro |
51.5×52.3×128.6/ 51.5×53.1×131 |
30 | 65 | 3~4 | 14~20 | - |
BUDDY | 50×70×90 | 30 | 60 | カスタム可能 | 5 | 要問い合わせ |
配膳に特化:コンパクトな走行に強み
配膳ロボット | 本体サイズ(cm) | 積載量(kg) | 通過幅(cm) | トレー数 | 稼働時間(h) | 自動 充電 |
---|---|---|---|---|---|---|
Servi/ Servi Plus |
44×43×104/ 54×59×123 |
40 | 52/65 | 3(トレー2+バスタブ1)/2~4 | 10~12 | - |
DINERBOT T8 | 38.4×46.8 ×111.1 | 20 | 55 | 3 | 15 | - |
Kachaka Pro | 幅24×奥行38.7 | 30 | 55 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ● |
おすすめの配膳ロボット(接客向き:大容量・複数の運搬に強み)
ここからは、4つのタイプ別におすすめの配膳ロボットを紹介します。なお、価格はいずれも問い合わせが必要です。
BellaBot /BellaBot Pro(Pudu Robotics社)
(出所:BellaBot /BellaBot Pro公式Webサイト)
サービスロボット分野を牽引する企業が提供する、ネコ型の配膳ロボット。マーカーもしくはレーザーでマッピングする「BellaBot」と、最新AIやカメラ、18.5インチのディスプレイを搭載した「BellaBot Pro」がそろう。表情による表現も豊富に用意しており、AI音声やタッチ、ライトなどによってコミュニケーションが取れる。
「BellaBot Pro」では顧客のジェスチャーの認識、音声でのメニュー紹介、全方向性障害物回避、接近の警告といった機能も搭載。レーザーとビジョンを融合した「PUDU VSLAM+テクノロジー」により、マーカー不要でマッピングができるため、高い天井、広い空間といった様々な環境で手軽に利用可能だ。
DINERBOT T10(KEENON Robotics社)
(出所:DINERBOT T10公式Webサイト)
KEENON社の飲食店向け配送ロボット「DINERBOT」シリーズのうち、配送と宣伝の両立に強みを持つモデル。「シカ」「ウサギ」「ネコ」からヘッドアクセサリーをカスタマイズできる頭部は可動域が広く、大型サイネージやタッチボタン、多言語対応などの機能とあわせて顧客にマルチモーダルインタラクション体験を提供する。最大積載量40kgの大容量ながら、最小通過幅59 cmと比較的コンパクトな走行ができる点も魅力。
独自のアルゴリズムにより、複数走行の場合でもリアルタイムの経路計画と障害物回避が可能。360度の環境認識に加え、4つの立体ビジョンセンサーやRGBカメラで安全に走行する。
LuckiBot/LuckiBot Pro(オリオンスターロボティクス株式会社)
(出所:LuckiBot/LuckiBot Pro公式Webサイト)
中国・北京のAIロボット開発企業が手掛ける次世代AI 配送ロボット。スタンダードモデルでは、10.1インチの縦型タッチパネルを持ち、最大40kgの積載に対応。新モデルの「Pro」では横型14インチ、最大積載量60kgとよりダイナミックになり、顧客に没入型のインタラクション体験を提供する。更に、料理識別カメラ、認識精度97%のAI会話機能、雑音の多い環境でも正確に内容を聞き取る6 マイクアレイなども搭載し、コミュニケーションを促進しながら効率的・安全に配送する。
両モデルともに「宣伝モード」「案内モード」などモード切り替えに対応し、多様なシーンで活用可能。そのほか、機密性の高いパスワード式のドアで、安全性とプライバシー保護を実現する「LuckiBot Pro Autodoor」も提供している。
おすすめの配膳ロボット(接客向き:コンパクトな走行に強み)
KettyBot/KettyBot Pro(Pudu Robotics社)
(出所:KettyBot/KettyBot Pro公式Webサイト)
Pudu社の配膳・運搬ロボットのうち、最もコンパクトなモデル。スタンダード版とPro版はそれぞれ、55cm/52cmの通路を安全に通過可能。複数のカラーから選べるボディに18.5インチのディスプレイ、豊かで愛嬌のある表情を備え、人件費・広告費の削減にも寄与する。
「KettyBot Pro」では、超広角カメラや魚眼カメラ、トレー検出用カメラなどを実装。駆動輪と補助輪にサスペンションが加わり、走行時の安定性がアップしている。
DINERBOT T11(KEENON Robotics社)
(出所:DINERBOT T11公式Webサイト)
飲食店向け「DINERBOT」シリーズの中でもコンパクトなモデル。5つの立体ビジョンセンサーとVSLAMにより、最小49cmの狭い通路でも正確に走行する。マルチモーダル3Dビジョン検出と独自のアルゴリズムを組み合わせ、混雑したシーンでも障害物をスムーズに回避。自社開発の衝撃吸収シャーシで、急停止時でも液体がこぼれるのを防ぐ。
愛嬌あふれる表情を映し出すタッチパネルに加え、大型サイネージを搭載。AIを搭載した受取案内によりセルフ受取を促し、使用するたびに精度の向上が見込める。ヘッドアクセサリーや音声(言語)などはカスタマイズ可能だ。
おすすめの配膳ロボット(配膳に特化:大容量・複数の運搬に強み)
Pudu HolaBot(Pudu Robotics社)
(出所:Pudu HolaBot公式Webサイト)
Pudu社で初めて呼び出し機能を実装した配送ロボット。スマホやスマートウォッチから、いつでもロボットを呼び出して作業の割り当てが可能。最大搭載量60kg、120ℓと大容量の運搬に対応し、1枚あたり15kgまで積載するトレーは高さを柔軟に調整できる。
ジェスチャー認識、音声制御モジュール、非接触操作、マシン本体を清潔に保つ内部防水機能など、多様なシーンで活用できる機能を搭載。飲食店やオフィス、医療機関など、幅広い分野で利用が進んでいる。
PuduBot 2(Pudu Robotics社)
(出所:PuduBot 2公式Webサイト)
前モデル「PuduBot」を改良した、汎用性の高い配送ロボット。障害物横断能力、移動安定性、拡張性がパワーアップし、天井が高い場合もマーカーなしで導入可能。最大7段まで柔軟に調整できる使い勝手のよいトレーを備え、飲食店はもちろん、製造業や医療機関、小売店など幅広い業種で活用されている。
自動充電や「Pudu Watch」との連携による呼び出しなど、自律的な機能が豊富。「配送モード」「誕生日モード」など4つのモードに切り替えられ、多様なニーズに応える。
DINERBOT T9 /DINERBOT T9 Pro(KEENON Robotics社)
(出所:DINERBOT T9 /DINERBOT T9 Pro公式Webサイト)
40kgの高耐荷重と、大きなタッチパネルが特徴の飲食店向け配膳ロボット。高さが調整できるトレーと、利便性を配慮して設置されたパネルで、効率的な配送をサポート。特許取得済みのシャーシ設計や3D 障害物検知システムなど、同社のコア技術で安定した走行やマルチロボットコラボレーションを実現する。
上位版の「Pro」では、安全性と耐久性が向上しているほか、新しいVSLAMセンサーによりマーカー不要で導入可能。トレーセンサー、音声、画面による自動受取案内もできる。スタンダード版は自動充電にも対応。
DINERBOT T3(KEENON Robotics社)
(出所:DINERBOT T3公式Webサイト)
飲食店向けの「DINERBOT」シリーズで唯一自動ドアを標準装備し、衛生・安全面に強みを持つモデル。投影ペダルを使った非接触操作ができる自動ドアは、パスワードでロックでき、プライバシーを担保して食事の提供が可能。最大40kg、180ℓの大容量で、配膳の安全性に加えて効率性も向上させる。
同社のほかのロボットとも連携でき、コア技術を標準搭載している。
BUTLERBOT W3(KEENON Robotics社)
(出所:BUTLERBOT W3公式Webサイト)
ホテル向けの配送ロボット。自動開閉ドアと換気システムを備え、中央で区切られた2枚のトレー(4つのコンパートメント)に最大20kgの飲食物を積載可能。エレベーターとのIoT連携により複数階配送を実現し、衛生性とプライバシーを確保しながら、階を跨いだルームサービスに活用できる。
丸みのあるボディに高級感のあるカラーリングと、ホテルのラグジュアリーな雰囲気にマッチするデザインも特徴。ロビーに配置し、タッチパネルを使った館内案内サービスを行うといった活用例も。
Delivery X1/Delivery X1 Pro(Gausium社)
(出所:Delivery X1/Delivery X1 Pro公式Webサイト)
AI統合型自律サービスロボットの開発企業が提供する屋内配送ロボット。すべてのタイヤにサスペンションを実装し、スムーズで安定した走行を実現。プロダクトデザイン賞を受賞したスタイリッシュなデザインに、直感的に操作できるタッチスクリーンを備える。マーカーレス展開への対応をはじめ、手間をかけずに導入しやすい点もポイント。
LiDARと3Dカメラを搭載。更に、Pro版では重量センサーとLEDインジケーターランプを実装し、トレーから荷物が取り除かれると、自動的に次のタスクに移行する。
BUDDY(SOCIAL ROBOTICS株式会社)
(出所:BUDDY公式Webサイト)
日本のベンチャー企業が開発し、製造までの全行程を国内で行っている汎用移動ロボット。拡張性・柔軟性に強みを持ち、飲食店を中心にイベントや屋外での活用例も多数。特許取得済みの免震機構、呼び出しボタンやQRコードなどとの連携機能、市販の棚を取り付けられるボディなど、国産ならではの利便性の高さが魅力。
LiDARと3Dカメラで安定走行を実現する「LiDAR SLAM」方式と、狭い通路でも安心の「RFIDマーカートレース」方式から選択可能。ショールームもしくは現地でのデモ、試験導入などは無料のため、実際の使い心地を確認してから導入したい場合におすすめ。
おすすめの配膳ロボット(配膳に特化:コンパクトな走行に強み)
Servi/Servi Plus(Bear Robotics社)
(出所:Servi/Servi Plus公式Webサイト)
アメリカのロボット会社が開発した、多様なシーンで活用できる配膳ロボットシリーズ。最小通過幅52cmの「Servi」は、特許取得済みの「ニア・ゼロ死角」検知機能を搭載し、狭いスペースでも障害物をスムーズに回避する。
より高機能な「Servi Plus」では、3面LEDマトリックスディスプレイと、英語、韓国語など6カ国語対応のサウンドシステムを用意。状況に応じて代替ルートや停止場所を自動決定するナビゲーション能力も備え、配膳の効率性を底上げする。ドリンクトレーといった外部アクセサリーも充実。
DINERBOT T8(KEENON Robotics社)
(出所:DINERBOT T8公式Webサイト)
飲食店向けの「DINERBOT」シリーズのうち、セルフ受取配送に強みを持つコンパクトモデル。最小通過幅55cmのスマートなボディと3D 障害物検知システムにより、多様な環境でスムーズに走行。300度のオープントレーとトレー検知センサー、タッチスクリーン、音声通知を通じて、セルフ受取を促せる。
マルチロボットコラボレーションにより複数台走行が可能。4時間の充電で最大15時間稼働するため、営業中にバッテリーが切れるリスクが低い。
kachaka Pro(株式会社Preferred Robotics)
(出所:kachaka Pro公式Webサイト)
経済産業省などが主催する「第11回ロボット大賞」の総務大臣賞をはじめ、数多くの賞に輝いた国産の業務向け自律搬送ロボット(AMR)。専用のシェルフとドッキングし、目的地を指定するだけで運搬を実行。コンパクトなボディが、最小55cmの限られたスペースをスムーズに行き来する。
国産の強みを活かし、ロボット・UI・棚のカスタマイズから、プログラミングやAPI連携まで自在。スマホもしくは専用の「カチャカボタン」とWi-Fiがあれば導入できる手軽さで、飲食店はもちろん製造業や医科・歯科クリニックなどでも活躍している。
まとめ
飲食物や器具・備品などの配膳・運搬業務を行う、配膳ロボットを紹介しました。ファミレスをはじめとする飲食店やホテル、病院、介護施設などで導入され、料理や飲み物のほか、器具やカルテなども運搬して業務を効率化。人手不足の解消にも貢献します。
人間や動物を模した親しみやすいフォルムやAI音声を使った会話機能により、利用客とのコミュニケーションを促進する配膳ロボットも。医療機関での廃棄物の運搬に利用されているケースもあり、幅広い業種で活用されています。
配膳ロボットは、コミュニケーション機能の有無によって4タイプに大別できます。
- 接客向き:大容量・複数の運搬に強み
- 接客向き:コンパクトな走行に強み
- 配膳に特化:大容量・複数の運搬に強み
- 配膳に特化:コンパクトな走行に強み
上記のタイプに加えて、下記のポイントに沿って比較することで自社に適した配膳ロボットが絞り込めます。
- 広告機能の有無
- 他ロボットとの連携可否
- ドアやカバーの有無
本記事で紹介した各ロボットの基本スペックや価格相場なども参考にしながら、配膳ロボットの導入を検討してみてください。