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医療・介護向け接遇研修会社10選。種類や比較ポイントは?

医療・介護向け接遇研修会社10選。種類や比較ポイントは?

最終更新⽇:2023-11-21

接遇研修を行いたい医療機関や介護施設の教育担当の方へ。外部会社に委託して接遇研修を行うことで、介護スキルやサービスの向上だけでなく、職場環境の改善にもつながります。研修内容の代表例や比較のポイントを解説したうえで、医療・介護業界向けの研修サービスを紹介します。

医療・介護向け接遇研修とは?

医療・介護向け接遇研修とは、現場スタッフの「おもてなし」や「ホスピタリティ」といった接遇スキル・マナーの向上を目指すビジネス研修のことです。研修方法にはプロの講師を招いた講義・実践型トレーニングを行う方式や、オンライン型の講習などがあります。

医療・介護向け接遇研修会社のサービスでは、基本的なマナーはもちろん、ホスピタリティの精神で対応する技術を学べます。更に、実務的なコミュニケーションやメンタルケアについて学べる研修など、対象者の職種や役職、重視するスキルによって様々な研修が用意されています。

豊富な事例に基づいたノウハウや、実践に結びつけやすいケーススタディを取り入れた研修により、専門的な接遇が強化されたり、職場環境や組織の改善を図れたりするなどのメリットが期待できます。

次項では、医療向けと介護向けそれぞれの研修プログラムについて紹介します。

医療向け接遇研修プログラムの種類と代表例

医療向け接遇研修プログラムの内容はサービス提供会社によって様々ですが、主に以下の4種類に分類できます。どのプログラムも医療現場のニーズに直結しており、実践で役立つ内容です。

1.基礎研修

医療現場の基本的なマナーについて実習を通じて習得する研修です。身だしなみや立ち振る舞い、言葉遣いなどを学びます。患者に寄り添った、快適な医療サービスの提供につなげることが目的です。

たとえば国際おもてなし協会(SHINKA)の「医療接遇研修《 講師派遣 》」は、講義やワークなどを通し、患者に対応する際の基本的な言動やコミュニケーションについて学びます。

2.職種別研修

医師や看護師、医療事務など職種に特化した研修です。職種に合わせた、高度な接遇力やコミュニケーション能力を磨きます。

たとえばラ・ポールの「現場直結研修」は、受付スタッフから医師まで、各専門職の特徴や変化する状況に合わせた、現場実践型の指導です。ほかにも、CAキャリアの「接遇研修」では新人職員や事務職員向けの研修を行っており、求められるスキルごとに内容を選べます。

3.階層別研修

管理職やリーダー、新入職員などの階層に合わせて内容を特化した研修です。階層別で研修を行うことにより、社員のキャリアに合わせたスキルが身に付きます。

たとえばCAキャリアの「接遇研修」は、職員の経験年数や職種に応じた研修内容を作成可能です。また、ラ・ポールの「現場直結研修」では、「新卒を一人前に育てるための新医療人研修」や「人が育つ職場風土を作る医療スタッフリーダー研修」などを行っています。

4.テーマ別研修

クレーム対応や言葉遣いなど、特定のニーズに特化した研修です。医療機関の課題に合わせて選択できます。

たとえばANAビジネスソリューションで提供している「医療現場の接遇研修」は、客室乗務員や空港係員の育成で培ったノウハウに基づき、サービス品質向上に特化した研修です。患者心理を学び、心情に応じたクレーム対応や安心感を与える言葉遣い、話し方などを習得できます。

介護向け接遇研修プログラムの種類と代表例

続いて、介護向け接遇研修プログラムについてです。介護業界の多数の事例のもと、実務に直結した研修内容となっています。大きく以下の4種類に分類できます。

1.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修は、対人能力を向上させるために行います。利用者やその家族だけでなく、職員同士のコミュニケーションも目的です。施設環境を改善することで、職員の働きやすさや上質なサービスの提供へつなげられます。

たとえば、ガイアシステムの「介護職員・介護施設研修」の「コミュニケーション力向上研修」では、アンガーマネジメントコミュニケーションや他職種連携コミュニケーションの向上が期待できるメニューが用意されています。

アーテック・ジャパンの「接遇の基本とコミュニケーション」で取り入れているのは、コーチングやカウンセリング手法です。思いやりの心から生み出される、円滑なコミュニケーション方法について理解できます。

2.マナー研修

マナー研修では、基本的な礼儀を学び、接客や接遇における心構えや基礎行動の習得を目指します。新人教育や顧客サービスの向上を目的として行われる研修です。

たとえばTruthの「接客・接遇マナー研修」では、基本的なノウハウだけでなく、業績向上につながる話し方のマナーまで学ぶことが可能。演習を中心とした双方向のコミュニケーションのアウトプットを軸とすることで、表面的な知識にとどまらず、接客・接遇マナーに必要な心がまえやあり方を習得できます。

3.階層別研修

階層別研修は、リーダー向け、マネージャー向けなどそれぞれの階層で必要な知識やスキルの習得を目指します。チーム内のコミュニケーションやスタッフのモチベーション維持に効果的な指導法などを学ぶ際に選ばれる研修です。

たとえば日本接遇教育協会の「接遇研修【介護福祉施設向け】アフターコロナ対策研修」は、介護従事者リーダー向けの研修が充実しています。なかでも「業務改善研修(コーチング)」では、自律型メンバーを育てる管理職のコミュニケーション方法を学べることが特徴です。

4.介護スキル研修

介護スキル研修では、ケアサービスマナーや記録の書き方、感染予防対策、リスクマネジメントなどの実務的な部分を学びます。実務的な研修を行うことで、経験年数や資格によりばらつきがある職員の技術を統一し、底上げできます。

たとえば日本教育クリエイトの「介護施設の課題を解決する研修」では、脳卒中や認知症など疾病ごとの留意点を学べ、職員のスキルアップが見込めるのが特徴です。

接遇研修会社の比較のポイント

接遇研修会社を比較する際は、以下の4つのポイントを考慮しましょう。

1.研修の内容

接遇研修会社を選ぶ際は、実施している研修の内容を確認しましょう。研修したい施設の規模や、解決したい課題に合っている研修を選ぶ必要があります。

たとえばCAキャリアの「接遇研修」は研修に加えて接遇調査・診断があるため、現場の課題を把握しきれていない場合におすすめです。

また、研修に求めることと、提供会社の強みが一致しているかどうかも判断材料の1つです。ANAビジネスソリューションの「医療現場の接遇研修」は、ANAで大事にしている「おもてなしの心」をコンセプトにした研修プログラムを提供しています。心の通う接遇で、患者やその家族の満足度を高めたい場合に適しているといえます。

一方、実践的なスキルを身に付けたい場合は、ラ・ポールの「現場直結研修」のように実践的なプログラムを提供する研修会社が向いています。

2.研修の提供形式

医療・介護向け接遇研修には、講師派遣型や公開講座型などの提供形式があります。サービスを行っている会社によって形式は異なるため、受講しやすい形態を選びましょう。

たとえば、国際おもてなし協会(SHINKA)の「医療接遇研修《 講師派遣 》」は講師派遣型の研修を行っています。同社ではeラーニングも行っているため、集合研修の時間が取れない場合や職員数が多い場合は、研修の代わりに利用するのも選択肢の1つです。

また、ANAビジネスソリューションの「医療現場の接遇研修」は講師派遣型と公開講座型が選べます。公開講座型の場合は指定会場に行く必要がありますが、少人数や個人向けのスキルアップに利用しやすいです。講師派遣型であれば希望の日時や場所を指定して研修を実施できます。

3.研修にかかる費用

研修にかかる費用は、依頼する会社や研修内容により異なります。予算に応じて最適な研修を選びましょう。

たとえば、国際おもてなし協会(SHINKA)の「医療接遇研修《 講師派遣 》」の半日コースは、11万円から受講可能です。Truthの「接客・接遇マナー研修」では、1時間あたり30,000円/20人まで受講できます。

おすすめの接遇研修会社(医療向け)

医療接遇研修《 講師派遣 》(国際おもてなし協会(SHINKA株式会社))

医療接遇研修《 講師派遣 》公式Webサイト

(出所:医療接遇研修《 講師派遣 》公式Webサイト)

医療接遇教育で豊富な実績を持つスペシャリストによる講師派遣型の研修や、eラーニング・接遇力調査などを行う会社。
研修では、医療接遇の基本や重要性をテーマに、講義やワーク、ディスカッションを実施。患者に対する基本的な立ち振る舞いや言葉遣い、コミュニケーションなどが学べる。
講座のカリキュラムは、職種や業務内容・課題など、要望に合わせて柔軟にカスタマイズ可能。マナー講師の指名もできる。

  • 料金:11万円~(半日研修コースの場合)

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医療現場の接遇研修(ANAビジネスソリューション株式会社)

医療現場の接遇研修公式Webサイト

(出所:医療現場の接遇研修公式Webサイト)

絶対の安全と安心が求められること、専門性の高いスタッフが集まりチームで仕事をしていることなど、医療業界と類似する航空業界にて培った接遇力、コミュニケーション力をベースにした研修を実施する会社。基本的なマナーや心の通う接遇を指導している。
客室乗務員や空港係員の育成などを行った経験豊富な講師が研修を担当。おもてなしの心という付加価値のある接遇や患者や利用者の心理に寄り添った対応力を身に付けて、満足度向上を目指す。
種類としては、講師派遣型の研修や、オンデマンド研修などがある。

  • 料金:39,000円 (2日コースの場合)

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現場直結研修(ラ・ポール株式会社)

現場直結研修公式Webサイト

(出所:現場直結研修公式Webサイト)

20年の豊富な経験をもとにした、質が高い接遇コンサルティングやプランの提案を実施している会社。信用・信頼される病院を目指すため、「心構え」「技術」「環境」の三要素で体系化された、接遇コンサルティングと研修メソッドがある。
医療介護分野専門のため、相手を配慮した接遇力を伸ばせる。完全現場主義で、千差万別な患者に柔軟に対応できるノウハウを提供。専門職や各医療機関の職場環境に合わせた、幅広い種類の現場実践型研修やコンサルティングを行っている。

  • 料金:10万円(税込)/訪問・1時間程度(単発型プランの場合)※人数や内容などによるため詳細は要問い合わせ

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病院向けCS・接遇研修(半日間)(株式会社インソース)

病院向けCS・接遇研修公式Webサイト

(出所:病院向けCS・接遇研修公式Webサイト)

業界を問わず講師派遣型研修事業や公開講座事業などを実施している研修会社。医療関係者を対象とした研修では、病院で実際に起こりそうなシチュエーションを想定したケーススタディを行っている。
講座で信頼を構築するための聞き方・話し方や来客対応時のマナーなどの基本を学び、ワークを通して実践することで、知識を定着させて現場に結びつけられるように促す。短時間でマナーや患者対応のポイントが習得できるプログラム。

  • 料金:要問い合わせ

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接遇研修(株式会社CAキャリア)

接遇研修公式Webサイト

(出所:接遇研修公式Webサイト)

医療機関に特化した接遇教育と人材育成を実施。研修には、マナー・接遇の基本や、コミュニケーション、クレーム対応などのカリキュラムが用意されている。
接遇研修は、訪問・出張が依頼できるオーダーメイド型と、運営会社の研修専用ルームを利用したセミオーダー型・公開セミナー型のプランがある。公開セミナー型は1人からでも利用でき、割安な費用で研修が受けられる。
プランは参加人数や職種、経験年数に応じて相談も可能。マナー・接遇の基本となる「第一印象」をはじめ、患者様との応対で差が付く「第二印象」のポイントを学び、接遇レベル向上を実現させる。

  • 料金:要問い合わせ

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おすすめの接遇研修会社(介護向け)

介護施設専門研修(株式会社日本教育クリエイト)

介護施設専門研修公式Webサイト

(出所:介護施設専門研修公式Webサイト)

技能教育や法人向けの研修、人材派遣などを行っている会社。介護向けの研修は、テーマ別に多様な種類がある。なかでも接遇マナー研修では、接遇マナーの5つの原則をベースに研修を行う。
実際の事例をベースに、グループワークやディスカッションを行うことで対応方法を学習。学んだことを活かしたロールプレイングで「知っている」から「できる」段階へ技術を引き上げる。介護現場で利用者の生活にマッチする実践的なスキルを身に付けられる。

  • 料金:要問い合わせ

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接客・接遇マナー研修(株式会社Truth)

接客・接遇マナー研修公式Webサイト

(出所:接客・接遇マナー研修公式Webサイト)

サービス業での人材育成や現場支援に特化している会社。医療現場で経験を積んだ高いレベルのプロ講師が、介護の現場ですぐに使えるノウハウやスキルを伝授する。接遇研修では、声をかけても返事がない時や話好きのお客様の時など、具体的なシチュエーションでの対応方法を学べる。
相談から最短3週間で研修の実施が可能。既存のプログラムそのままではなく企業で課題ヒアリングを行ったうえで、オーダーメイドのプログラムを提案・作成し、成果に直結する研修を実施している。「何をするか」を明日から明確にし、業務で使える内容を教えている。

  • 料金:30,000円~/20人まで(1時間あたり) ※2時間以上から申し込み可

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介護職員・介護施設研修(株式会社ガイアシステム)

介護職員・介護施設研修公式Webサイト

(出所:介護職員・介護施設研修公式Webサイト)

人材育成や企業コンサルティングなどを行っている会社。完全オーダーメイド型で、専任のコンサルタントが、適切な研修プログラムを設計している。課題や悩みに寄り添うことで、研修効果を最大限に高める。
介護業界の事例を活用した実務直結型の研修で、次の日からすぐに実践できる内容が盛り込まれている。現場のシフトに配慮した日程、場所や予算などニーズに合わせた研修の提案も行う。

  • 料金:要問い合わせ

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接遇研修【介護業界向け】(株式会社アーテック・ジャパン)

接遇研修【介護業界向け】公式Webサイト

(出所:接遇研修【介護業界向け】公式Webサイト)

総合人材プロデュースを実施している会社。個人を尊重し、価値観に合ったサービスが提供できる介護事業者を目指す接遇研修を実施している。
研修ではグループワークを通じ、接遇やマナーの本質を学ぶことで、コミュニケーション能力や好印象・信頼感を与える具体的な方法が身に付く。
要望に応じ、メニューをカスタマイズできる。そのため、夕方から夜の仕事終わりや、1時間からの受講が可能。複数回受講の場合、料金の相談も受け付けている。

  • 料金:70,000円(接遇の基本とコミュニケーション【2h/初級】の場合)

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接遇研修(NPO法人 日本接遇教育協会)

接遇研修公式Webサイト

(出所:接遇研修公式Webサイト)

接遇力で企業の人材を活性化している団体。福祉事業所の関連職員向けの研修を実施している。リーダーシップやクレーム対応など、対象者や目的の異なる接遇研修の種類が豊富にある。
研修ではレクチャーやグループワークなどを通じ、マナーに加えて、介護スタッフに求められるホスピタリティを磨く。研修カリキュラムの内容は、要望に応じて変更が可能。アフターコロナ対策研修も行っている。病院医療機関向けのプランも。

  • 料金:35,000円/回(アフターコロナ対策研修・オンライン・10名までの場合)

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まとめ

医療・介護向けの接遇研修では、一般的なマナーや言葉遣いだけでなく、現場で使える専門的な内容も指導が必要です。病院や介護施設では、自社内での対応が難しいケースも考えられます。

医療・介護向け接遇研修会社が提供しているサービスを利用すれば、職員が専門的な接遇を学べ、利用者の満足度を上げてクレームを減らすことが見込めます。また、接遇研修は職場の環境や組織の改善につながるため、離職率を下げたい場合にも有用です。

医療向け接遇研修プログラムには、基礎研修や職種別研修、階層別研修、テーマ別研修といった種類があります。介護向け接遇研修プログラムの主な種類は、コミュニケーション研修、マナー研修、階層別研修、介護スキル研修です。

医療・介護向け接遇研修を依頼する場合には、次の3つのポイントを重視し、適切な会社・研修を選ぶ必要があります。

  1. 研修の内容
  2. 研修の提供形式
  3. 研修にかかる費用

医療・介護向け接遇研修会社が提供しているサービスを上手に活用して、職員のスキルを向上させ、病院の評価を高めましょう。