新入社員研修サービス比較8選。プログラムの種類や費用の目安
最終更新⽇:2024-08-08
新入社員研修にかかる業務負荷の軽減とともに、研修効果を高めたいと考えている人事部門の方へ。外部研修サービスのタイプや教育方法、価格の目安、比較ポイントを解説したうえで、オンラインも含めたおすすめの新入社員向けの研修サービスを紹介します。
目次
新入社員向け研修サービスとは?
新入社員向け研修サービスとは、主に新卒や若手社員に向けて、社会人としての基礎的なビジネスマナーや業務遂行に必要なスキルなどを身につけてもらうための研修を行うサービスのことです。
新入社員向け研修サービスを活用すれば、自社に不足しているノウハウやリソースを補えるため、研修担当者の負担軽減につながります。
テキストを用いた座学だけでなく、ロールプレイングやグループワークなど、実践に基づいた研修方法を取り入れているところも多く、学習効果を高めらます。また、メンタルヘルスを維持する方法やコンプライアンス、社員のマインドセットといった、社会人としての意識付けを図るところまでカバーしているのが特徴です。
新入社員向け研修プログラムの代表例
新入社員向けの研修プログラムには、大きく分けて「マナー」「スキル」「モラル・常識」の3つの方向性があります。それぞれの特徴と具体的な研修プログラムを紹介します。
基本的なビジネスマナーの習得
基本的なビジネスマナーの習得として、電話対応や名刺交換、あいさつなどの社会人として基本的な礼儀作法を学べます。社会人としての意識付けを図るためには、様々なロールプレイングを通じて実践的なマナーを学ぶことが大切です。
たとえば、マイナビの「新入社員研修 ベーシックコース」では、テーマ別に用意されたテキストによる座学のほか、ロールプレイングやペアトレーニングなどを多く取り入れ、現場ですぐに活かせる内容になっています。
ALL DIFFERENTの「新入社員研修」は、1日コース・3日コース・5日コースから選択できるようになっており、研修の終わりには振り返りや復習テストを実施。講師から直接注意すべきところを指摘してもらえるため、限られた新入社員研修期間のなかで、社会人としての「基本的な型」の習得につなげる設計になっています。
業務遂行に必要なスキルの習得
業務遂行に必要なスキルの主なものとして、ロジカルシンキング、文書作成、コミュニケーション、仕事の進め方などがあげられます。
たとえば、マイナビの「新入社員研修 プレミアコース」は3日間にわたる研修プログラムを実施。基本的なビジネスマナーの習得に加えて、コミュニケーションスキルやPDCAサイクル、チームでの仕事の進め方などを身につけられるように。「指示の受け方」「メモの取り方」「傾聴の仕方」のほか、「上司とのMTGアポイントを取得」「上司とのMTGで報連相を実施」といった、実践的な内容が充実しています。
コンプライアンスなどに関する知識の習得
コンプライアンスやメンタルヘルスの知識といった、社会人としてのモラルや常識も新入社員研修がカバーする範囲です。
たとえば、リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員のためのコンプライアンス・メンタルヘルス」は、コンプライアンスの基本と、業務を行ううえで必要なメンタルヘルスケア、コミュニケーションスキルを学べる研修プログラムです。
新入社員向けのコンプライアンスに特化した研修があり、職業倫理や基本的な法律の解説のほか、職場での対応方法などもアドバイス。法律用語の使用は最小限にとどめており、自身にとって身近で重要なテーマであると認識させ、適切な判断・行動が身につくようなプログラムとなっています。
また、インソースの「新人向けコンプライアンス研修」では、研修の最後に理解度をチェックするための時間を設定し、知識の定着を図れるように。コンプライアンス違反となるような行動を回避するだけでなく、リスクに直面したときに適切な対応が取れるように必要なポイントを習得できます。
新入社員向け研修サービスのタイプ
新入社員向け研修サービスには、社会人として必要なビジネスマナーやビジネススキル、コンプライアンスなどに関する内容が盛り込まれており、サービスの特徴によって以下のタイプに分けられます。
1.オンボーディングに強み
マナーや基本行動など、入社期から本格仕事期までの基礎力の定着に重点を置いている、オンボーディングに強みを持つタイプです。
たとえば、リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員研修」では、年間を通じて育成をサポート。適切なタイミングでその時の実務に応じた研修を組めるようになっており、研修後のスムーズな独り立ちを支援します。
また、ALL DIFFERENTの「新入社員研修」は、組織人としてステークホルダーに対する責任感を養うのに役立ちます。新しい組織に適応していくプロセスを網羅しており、社会人としての意識醸成に効果的です。
2.スキルの習得にも対応
一般常識だけでなく、実務の習得にも対応したタイプです。現場で即戦力となる人材を育成したいときは、実践的なスキルの習得に力を入れている研修プログラムを選びましょう。
インソースの「新入社員研修」は、Microsoft Officeの使い方やITリテラシーに関する研修のほか、プログラミングやデータサイエンスについての研修も用意。新入社員のキャリア形成に役立つスキルの習得が期待できるので、自社が求める人材の育成につなげられます。
3.システム提供タイプ
新入社員向け研修サービスのなかには、eラーニングに特化したタイプも。オンラインならスキマ時間を活用して学べるうえ、学習の振り返りもしやすくなります。また、豊富なコンテンツのなかから受講者が興味のある分野を学べるので、モチベーションを維持しやすいといった点も特徴です。
たとえば、「Schoo for Business」のオンライン研修なら、8,500本以上のオンライン授業から社員にあわせて研修パッケージの作成が可能。管理画面から必要な研修を手軽に設定し、すぐに新入社員研修を始められるように。受講状況の管理やレポートの提出なども一元管理でき、研修担当者の業務負担軽減にも役立ちます。
新入社員向け研修サービスの価格の目安
新入社員向け研修サービスは、参加人数や研修内容などによって費用が異なりますが、大まかな費用について把握しておくと、研修実施の判断を行いやすくなります。
たとえば、「マイナビ研修サービス」が提供している新入社員研修の価格は、以下の通りです。講師派遣型についてはいずれも、問い合わせが必要となっています。
研修の種類 | 価格(1人あたり) |
---|---|
新入社員研修 ベーシックコース(オンライン研修) | 30,000円 |
新入社員研修 アドバンスコース(公開型) | 65,000円 |
新入社員研修 プレミアコース(公開型) | 88,000円 |
また、リクルートマネジメントスクールの「新入社員向け研修サービス」では、スキル別に研修コースを選ぶことも可能です。主なコースをまとめると、以下のようになります。
コース名 | 研修形式 | 価格(1人あたり) |
---|---|---|
明日から実践!「相手の期待を考える」新入社員「8つの基本行動」 | 会場開催 | 49,000円 |
ビジネス数字力 ベーシック (苦手意識を克服し数字の使い方を習得する) |
オンライン | 50,000円 |
ビジネスコミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ | 会場開催 オンライン |
90,000円 60,000円 |
ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ | 会場開催 オンライン |
90,000円 60,000円 |
新人営業担当基礎研修 | 会場開催 | 80,000円 |
新入社員向け研修サービスの比較ポイント
新入社員向け研修サービスを比較するポイントを紹介します。
研修の種類、内容、手法
研修のラインナップがどれくらい充実しているかは、サービスを選ぶ際の重要なポイントです。
たとえば、「Schoo for Business」であれば、200種類以上の研修パッケージが用意されているので、研修の目的に応じた選択ができるように。あらかじめ用意されたプログラムに沿った学習も行えますが、自社で用意した動画を研修パッケージに加えたり、参加者一人ひとりに対応した内容に変更したりといった活用法も。
また、インソースの「新入社員研修」なら、ロジカルシンキング研修やビジネス文書研修、テレワーク時代の仕事の進め方研修など、ビジネスパーソンに必要な研修を多数用意。Microsoft Office研修やプレゼンテーション研修など、実践的なプログラムが組まれているので、研修後の業務遂行に役立ちます。
カスタマイズ性
一口に新入社員研修といっても、業種や職務内容によって、自社で必要とされる知識やスキルは異なります。そのため、研修内容を柔軟にカスタマイズできるかも重要なポイントに。
研修サービスを提供している会社によっては、教材の内容や実施スケジュールなどを細かく調整してくれるところもあります。
たとえば、アルーの「新入社員研修」では、カスタマイズを専門とした専任チームがサポートし、研修プログラムの設計やテキストの作成を行ってくれるのが特徴です。複数の研修内容を組み合わせたり、研修期間を柔軟に調整したりと、実施効果の高い研修が行えるように。不要なカリキュラムを減らせば、その分コストも削減できるため、無駄のない新入社員研修を実現します。
フォロー体制の充実度
新入社員研修は、実施前の準備から実施後の受講者のフォローまで多くの工程が必要に。特に研修後のアフターフォローは重要であり、研修内容をしっかりと定着させるには、いつでも相談できる体制を整えておかなければなりません。
しかし、一人ひとりの受講者のサポートを行うには時間や手間がかかるため、フォローの手厚い研修サービスをあらかじめ選んでおくことが大切です。
たとえば、マイナビの「新入社員研修」では、研修実施後のフォロー体制が充実。新入社員研修が終わった後に、各自に「行動計画表」を作成してもらい、1年後の目標達成に向けて具体的な行動を計画に落とし込んでいくサポートをしてくれます。行動計画表をもとに月間目標や週間目標を立て、PDCAサイクルを回すための「振り返り」を週単位で行えるように工夫しているのが特徴です。
また、行動の定着を図るためのスケジュール作成や、3カ月間の振り返りをするためにモチベーショングラフを活用するといった施策も。新入社員研修を実施した後の効果測定が行いやすい環境を整えてもらえるため、研修担当者の業務負担軽減にも貢献します。
おすすめの新入社員向け研修サービス(オンボーディングに強み)
新入社員研修(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
(出所:新入社員研修公式Webサイト)
リクルートが提供する、新入社員向けの公開型研修サービス。新入社員向けの1年間を通した育成サポートサービスをはじめ、ビジネスマナーや仕事の進め方といった導入から、コミュニケーションやプレゼンスキルの戦力化まで、幅広い育成プランに対応。研修内容のラインナップも充実しており、ロジカルシンキングやコンプライアンスなど課題にあわせた研修をピンポイントで選ぶことも可能だ。
公開型研修のため、他社の受講生から異業種の刺激を受けながら学習でき、広い視野・視点を得られる点もメリット。 また、受講生それぞれの都合にあわせて1名からでも利用でき、 講師や会場手配といった準備の必要がなく、担当者の負担軽減にもつなげられる。
- 料金:49,000円/名 (明日から実践!「相手の期待を考える」新入社員研修「8つの基本行動」の場合)
新入社員研修(ALL DIFFERENT株式会社)
(出所:新入社員研修公式Webサイト)
支援実績13,000社以上を誇る研修会社による、新入社員研修サービス。基本的なビジネス知識やスキルの習得に加えて、仕事に臨む姿勢や考え方などを身につけられる。社会人としての意識の醸成に重点を置いており、責任のある振る舞いを習得するためにプログラムが組まれている。
研修は1日コース・3日コース・5日コースから選択でき、どこまでのスキル・知識を求めるかに応じて柔軟に設定が可能。たとえば、5日コースの場合はビジネスマナーや基本的なビジネス知識に加えて、コンプライアンスに関する考え方やMicrosoft Officeの使い方、コミュニケーションスキルなども学べる。
そのほか、動画配信型やライブ配信型といった定額制のオンライン研修も展開している。
- 料金:要問い合わせ
マイナビ研修サービス(株式会社マイナビ)
(出所:マイナビ研修サービス公式Webサイト)
社会人としての意識の醸成に力を入れており、そのうえでビジネスに取り組んでいくために必要な知識・スキルの習得を図る新入社員研修サービス。研修後にすぐ実践できるように、様々なシーンを想定したロールプレイングやコミュニケーションスキルを強化するためのゲームなどを研修プログラムに盛り込んでいるのが特徴。
また、「Reflection book」と呼ばれる行動計画表により、1年後の目標を達成するために必要な月間目標や週間目標の綿密な計画も実現。研修プログラムだけでなく、研修実施後のアフターフォローも充実している。
- 料金:65,000円/名(新入社員研修 アドバンスコース・公開型の場合)
新入社員研修 ~飛翔への道~(株式会社ビジネスグランドワークス)
(出所:新入社員研修 ~飛翔への道~公式Webサイト)
人材育成・能力開発に強みを持つ、企業教育研修コンサルティングによる、新入社員・中途入社3年目以内の従業員を対象とした研修サービス。2泊3日にわたって合宿型で行われる研修で、受講生数も1回あたり15名までと限られているため、密度の高い研修内容を実現している。
組織人としての意識の転換、基本的なビジネスマナーの習得のほか、電話対応や仕事の受け方、報告・連絡・相談、名刺の受け渡し、言葉遣いといった、基本的なビジネススキルを反復練習し、実践レベルまで引き上げる。更に、話の聞き方や、自分の考えを論理的に話す能力、書き方、理解力、積極性、時間管理やポジティブな思考など、社会人として必要なヒューマンスキルの習得も期待できる。
- 料金:11万8,000円/15名まで
新入社員研修(株式会社インプレッション・ラーニング)
(出所:新入社員研修公式Webサイト)
電話応対や名刺交換、言葉遣いなどの基本的なビジネスマナーだけでなく、「新人に何を学んでほしいか」を考えさせるといったコンセプトで設計されている新入社員研修。たとえば、ビジネスの様々な場面で必要とされる数字に関するリテラシーをはじめ、企業会計や会社法といったマネジメントに関わる部分を学ぶことも可能だ。
更に、新入社員向けのコンプライアンス研修も盛り込まれており、研修実施後に現場で力を発揮できる基礎力を身につけられるプログラムを提供している。
- 料金:要問い合わせ
新入社員研修サービス(アルー株式会社)
(出所:新入社員研修サービス公式Webサイト)
年間約20,000人以上の受講者実績に基づき、傾向を踏まえたプログラムを設計している新入社員研修サービス。入社から1年間を3つのステージに分け、育成研修プランを用意。組織への適応が求められる4~8月、本格的に業務を担当する9~12月、戦力化していく1~3月と、成長フェーズにあわせた研修の実施を実現する。更に、自社で新入社員に期待する役割を踏まえて、必要な研修をカスタマイズできるのも魅力。専任チームがカリキュラムのオーダーメイドもサポートしてくれるため安心だ。
新人導入研修はもちろん、内定者研修やフォロー研修に必要なプログラムのほか、OJTトレーナー向けの研修も備えている。
- 料金:要問い合わせ
おすすめの新入社員向け研修サービス(スキルの習得にも対応)
新入社員研修(株式会社インソース)
(出所:新入社員研修公式Webサイト)
年間受講者数60,000人以上を誇る、新入社員にとって必要な知識・スキルをコンパクトに学べる研修プログラム。特に研修で使用するテキストは毎年改訂が行われており、コンプライアンスやメンタルヘルス、SNSの利用方法など、最新の状況にあわせた内容を学ぶことが可能だ。
研修実施後のアセスメント(評価チェック)や添削サービス、フォロー研修の実施など、要望に応じて研修内容をカスタマイズできる。また、Microsoft OfficeやPythonなど、ITスキルを高めるための講座が充実しているのも特徴。
- 料金:28,500円~(税込)((新入社員・新社会人向け)Microsoft Office研修~ExcelとPowerPoint・会員の場合)
おすすめの新入社員向け研修サービス(システム提供タイプ)
新入社員研修(株式会社Schoo)
(出所:新入社員研修公式Webサイト)
幅広い学習コンテンツを持つ、オンライン研修サービス。新入社員や中堅社員などの階層別、職種別に研修カリキュラムを200種類以上用意しており、自社に最適な研修の設計を実現する。オンラインサービスのため、管理画面から研修設定を行うことで、手軽に研修をスタートできるのもポイント。受講状況やレポート提出といった管理を一元的に行えるので、研修担当者の業務負担の軽減にも役立つ。
更に、8,500本以上の動画コンテンツも用意。ビジネスの基礎だけでなく、職種や現場の状況にあわせた研修プログラムが組めるほか、研修実施後の振り返りにも貢献する。
- 料金:1,650円/ID ※最少20IDから利用可能
まとめ
新卒や若手社員を中心に、ビジネスマナーの基礎や業務に必要なスキルなどの習得を目的に実施する、新入社員向け研修サービスを紹介しました。新入社員研修は、基本的な内容であれば自社内で賄えるものの、研修のノウハウやリソースが不足していると満足のいく効果が得られにくいことも。新入社員研修サービスを活用することで、研修の成果を高めることはもちろん、研修担当者の負担軽減も期待できます。
新入社員向け研修は、サービスの特徴によって以下のタイプに分けられます。カバーしてほしい研修内容や自社の体制にあわせて、タイプを絞り込んでみましょう。
- オンボーディングに強み
- スキルの習得にも対応
- システム提供タイプ
自社にあったタイプが掴めたら、以下のポイントに沿ってサービスを比較しましょう。重視したいポイントの優先順位をつけるのも重要です。
- 研修の種類、内容、手法
- カスタマイズ性
- フォロー体制の充実度
実施する研修内容や受講人数などによって費用は異なりますが、本記事で紹介した価格の目安を参考にしながら、新入社員向け研修サービスの導入を検討してみてください。