法人印鑑セットおすすめ11選。会社設立時に必要なハンコと選び方

最終更新⽇：2025-06-06

開業時に必要な印鑑をまとめて注文できる、価格・品質・納期のバランスに優れた印鑑販売サービスをお探しの方へ。法人印鑑セットのメリットやタイプ別の選び方、比較のポイントも解説しながら、おすすめの法人印鑑セットを紹介します。

法人印鑑セットとは？

法人印鑑セットとは、会社や法人の設立・運営に必要な複数の印鑑をまとめて購入できるセットのことです。会社の実体や意思表示を証明するために使用され、重要な契約や取引の際に欠かせない存在です。

なお、印鑑は作成・購入しただけでは法人実印としての効力を持たず、法務局での印鑑登録が必要となります。印鑑登録を含めた会社設立に関する手続きを専門家に代行してもらいたい場合は、「会社設立代行サービス比較12選！メリットや依頼範囲・料金相場を紹介」をご覧ください。

会社設立手続きで必要とされる主な法人印鑑の種類

一般的に、会社設立時に必要とされる法人印鑑には、以下の4種類があります。法人印鑑セットには、これらのうち複数（主に3本または4本）が含まれ、銀行や取引先との契約、社内文書や郵便物の処理など、幅広い業務で用途に応じて使い分けます。

印鑑の種類	説明	主な用途
代表（者）印（会社実印・登記印）	法務局へ「商業登記」の際に登録する印鑑。登録により「実印（登記印）」としての役割を持つ	実印登記印鑑証明書発行不動産の売買企業買収などの重要な契約書
銀行印（丸印）	法人用銀行口座を開設する際に登録する印鑑。金銭関係で使用する	法人口座開設金融機関取引口座振替（口座引き落とし）申し込み小切手、手形の発行
角印（社判・社印・角版）	会社名や団体名が刻まれた四角い印鑑。日常業務で頻繁に使用する	各種書類（見積書、納品書、請求書、領収書）の発行社内向け文書
ゴム印（社判）または認印	ゴム印：会社名・住所・電話番号などの情報を表示するための事務用印認印：代表印の代用として日常的に使う	確認印納品書や請求書などへの角印代用として社内向け文書

法人印鑑セットのメリット

法人印鑑セットの主なメリットは次の通りです。

1.コストを抑えられる

法人印鑑セットは、代表印・銀行印・角印・ゴム印など必要な印鑑を個別にそろえるよりも、セット割引が適用されるため、全体の費用を抑えられます。特にオンラインショップでは、実店舗と比べてリーズナブルなケースが多く、コストパフォーマンスに優れています。中には、単品で購入するよりも最大7割引近い価格で販売されているサービスもあり、予算を抑えたい方には非常に魅力的です。

2.効率的に印鑑をそろえられる

会社設立に必要な印鑑を一度にまとめて用意できるため、開業準備をスムーズに進められます。多くのセットには、印鑑ケースや事前に仕上がりを確認できる印影プレビューサービスに加え、一定期間内に無料で交換や彫り直しに対応する保証も無料で付帯しています。こうしたサポート込みで一括してそろえられるのも、セットならではの利点です。

3.迅速に入手できる

多くのサービスが即日・翌日発送に対応しており、中には、土日祝日も16時までの注文で即日発送が可能なサービスも。会社設立のスケジュールがタイトな場合など、急ぎで印鑑が必要な時でもスムーズに準備を進められます。

また、12時までの注文分を印鑑サービス提供事業者の本社で当日中に直接受け取れるサービスや、東京23区内限定でバイク便による当日配送を行うサービスなど、ニーズに応じた柔軟な受け取り方法を提供している場合もあります。

4.セキュリティリスクを軽減できる

代表印と銀行印を同じ印鑑で兼用すると、万が一紛失した際に悪用されるリスクが高まるため、セキュリティの観点からも別々に管理することが推奨されています。法人印鑑セットなら、用途ごとに印鑑を分けて用意できるため、実印と銀行印を混同することなく、安全に管理可能です。更に、形状やサイズに差をつけることで、見た目でも区別がつきやすくなり、押し間違いや取り違えの防止にもつながります。

法人印鑑セットのタイプと選び方

法人印鑑セットはどれも法人設立や日常業務に必要な印鑑を一通りそろえていますが、重視するポイントによって選ぶべきタイプが異なります。

（1）印影品質にこだわりたい

印影の美しさや独自性を重視する場合は、手作業による印影調整やデザイン、手書き文字、職人の手彫りによる仕上げなど、量産品では再現できないクオリティーにこだわった印鑑セットがおすすめです。このような印鑑は、偽造されにくく、温もりのある手仕事の風合いが感じられるのが特徴です。

たとえば、「ハンコヤドットコム®」は、苗字や用途に合わせて最適な印影を選定。全体の印象やバランスに配慮しながら、一本一本丁寧に仕上げています。止めや「はらい」といった筆使いを意識した文字調整を行い、量産品では得られない品質を実現。更に、片手でも綺麗に押せるよう設計されており、仕上がった印鑑は職人の手で捺印テストを行い、合格品のみを出荷しています。

「西野工房®」では、京印章制作士による手書き文字の印影と手仕上げ彫刻にこだわっています。一画一画に心を込めて制作し、機械では表現しづらい柔らかな曲線も印刀で丁寧に彫刻。同じ文字でも印影に変化を持たせることが可能で、「力強さ」や「柔らかさ」など、希望に応じた印影の表現にも対応しています。

（2）デザインにこだわりたい

オリジナルのロゴやモダンなデザインなどが豊富なタイプ。自社ならではの特徴を凝らした印鑑を作りたい場合に適しています。

たとえば、「Sirusi」では、会社の理念や事業のイメージ、創業者自身の想いを反映した印鑑を作成できます。伝統的なデザインはもちろん、グラフィカルでモダンな表現にも対応しており、ロゴやイラストも組み込み可能。

書体は、篆書体や吉相体に加え、篆書体をベースにしたモダンでグラフィカルなベンチャー印グラフィーシリーズから選べます。更に、暗号をモチーフにした「サイファー印グラフィー」やSF風の「スター印グラフィー」など、ほかにはないユニークな印鑑も展開。文字としての可読性は低いですが、意味のある文字や記号で構成されており、登記や金融機関への届け出もできます。

（3）スピード・価格にこだわりたい

できるだけ早く、安く印鑑をそろえたい場合に適したタイプ。10,000円以下で法人印鑑セットを用意したい方に適しています。

たとえば、「二代目東洋堂ONLINESHOP」や「はんこ森」では、どちらも営業日当日の16時までの注文で即日出荷に対応。追加料金もかからず、スピーディーかつ手軽に注文できるのが魅力です。安価な印材を選べば、実印・銀行印・角印がセットになった法人印セットも数千円で購入可能。更に、彫刻前に印影プレビューを確認できるサービスや購入後の永久保証制度（加入者限定）も備えており、価格や納期だけでなく安心感も重視したい方にも適しています。

「印鑑の匠ドットコム®」では、プラス1,000円（税込）で12時までの注文商品を同日17時までに同社本社で直接受け取れる「当日受け取りサービス」や、東京23区内への「バイク便サービス」（配送料別途）など、緊急時に役立つオプションも用意されています。

（4）環境にこだわりたい

環境に配慮しつつ、手頃な価格で印鑑を購入したい方に適したタイプ。素材や製造工程にサステナビリティを求める企業にもおすすめです。

たとえば、「はんこ屋LOHAS」は、再生樹脂や間伐材、廃植物繊維など、未活用資源を活かしたエコ印材を用いた印鑑を提供。中でも、バーチ材と樹脂を高圧加熱処理で結合した素材は、強度と美しさを兼ね備えた注目の印材です。印鑑本体だけでなく、ケースや朱肉にも再生素材を取り入れるなど、関連商品にも環境配慮が徹底されています。中間マージンを省いた自社一貫体制による、リーズナブルな価格も魅力です。

（5）オフィス用品もそろえたい

印鑑のほかに名刺やチラシの印刷にも対応しているサービスは多くありますが、更に、事務用品やオフィス家具、店舗用品なども含めて、必要なものを一括でそろえたい場合に適したタイプです。

たとえば、「パプリ」は、オフィス用品通販の「アスクル」が運営するサービスで、「アスクル」に会員登録していれば「パプリ」も利用できます。印鑑や名刺・封筒などのオーダーメイド品に加え、チラシ印刷やノベルティ制作など開業後の販促物もまとめて手配できるのが特徴です。文具や備品などの日常品は「アスクル」、オーダーメイド品は「パプリ」と使い分けられ、どちらも最短翌日で届くのが魅力です。スタートアップから日常業務まで、幅広くスムーズにサポートしてもらえます。

法人印鑑セットの比較ポイント

ある程度自社に合ったタイプが絞り込めたら、次は具体的なサービス比較に進みましょう。以下のポイントを確認しながら検討を進めるのがおすすめです。

（1）対応する書体

作成可能な印鑑用の書体は、篆書体や印相体など、一般的に5～6種類から選べるのが一般的で、好みに応じて選択できます。サービスによって選べる書体は多少異なるため、あらかじめHPなどでチェックするといいでしょう。

たとえば、「印鑑の匠ドットコム®」では、篆書体、古印体、印相体（八方篆書体・吉相体）、隷書体、行書体、楷書体の6種類を取り扱っており、ひらがなやカタカナ、ローマ字、数字も使用できます。PCで表示できない旧字の作成にも対応しており、イメージプレビューには映らない場合でも製作自体は問題なく行えます。

「Sirusi」の法人印鑑は、伝統的な篆書体や吉相体に加え、篆書体をベースにモダンなグラフィカルデザインを施した「印グラフィーシリーズ（3種）」、更に、暗号やSFをモチーフにした個性的なデザインの「サイファー印グラフィー（2種）」を用意しています。

（2）対応する印材

大多数のサービスで取り扱われているスタンダートな印材には、天然木材の柘（アカネ）や黒檀、黒水牛、チタンなどが挙げられます。

一般的な印材の例

柘（アカネ）	東南アジア原産で、印鑑では最もポピュラーな木材印材。柔らかく彫刻しやすいのが特徴
黒檀	重厚で高級感があり、耐久性に優れる木材印材。見た目の美しさと堅牢性を兼ね備えている
黒水牛	水牛の角から作られる艶やかな黒色が特徴。高い硬度と粘りで、耐久性にも優れています。
チタン	錆びにくく、耐食性に優れた金属印材。耐久性と見た目のモダンさを求める方に人気

このような定番品に加えて、独自の特徴を持つ印判を取り扱うサービスも存在します。

たとえば、琥珀樹脂などのユニークな印材を扱う「印鑑・ゴム印製作所」や、彩樺をはじめとした間伐材と樹脂を合成したエコ素材のラインナップが豊富な「はんこ屋LOHAS」などが一例です。

印材によって見た目や耐久性、価格帯などが異なるため、事前に各社のWebサイトでラインナップや仕様を確認しておくと安心です。

（3）修正や保証への対応

基本的にどのサービスも、印鑑の実制作に入る前にメールやFAXなどで仕上がりイメージをチェックできる「印影確認（印影デザイン確認 / 校正確認）サービス」や、破損・摩耗で捺印できなくなった場合に無料で再彫刻などを行う「保証制度」が付帯していますが、内容はサービスによって多少異なるため事前に確認しておくことが大切です。

印影確認（印影デザイン確認 / 校正確認）サービス

無料で行なっているところも多いですが、印影確認後の修正回数が一定数を超えると追加料金が発生する場合や、そもそもサービス自体が有料の場合もあります。

たとえば、「Sirusi」は4案まで無料、「はんこプレミアム®」は3回以上の場合、修正料金が発生する可能性があります。「西野工房®」は550円（税込）で印影確認ができ、気に入らなければキャンセルも可能。「はんこ屋LOHAS」では300円のオプション料金がかかりますが、送付される印影データは電子印鑑として利用できるため法人利用の場合に便利です。

なお、購入前にWeb上で印影の簡易プレビューができるサービスもあります。何回も試せて便利ですが、実際の仕上がりと異なる場合があるので、あくまで参考程度にするのが良いでしょう。

保証制度

保証制度の内容や期間はサービスごとに異なり、5年や10年程度が一般的ですが、「ハンコヤドットコム®」や「印鑑・ゴム印製作所」では、30年保証という長期サポートが用意されています。更に、「二代目東洋堂ONLINESHOP」や「はんこ森」のように、加入者限定で永久保証を提供しているサービスも。

また、「印鑑本舗.com」や「印鑑の匠ドットコム®」では、「印鑑を作ったが類似商号で法人登記に使えなかった」「仕上がりがイメージと異なった」「苗字の変更」といった理由でも、1年間の無料彫り直しサービスが利用可能。加えて、印鑑登録ができなかった場合に交換や彫り直しに対応する「実印登録保証」を提供するサービスもあります。

ただし、保証の対象外の商品もあるため、希望する印鑑が保証の範囲内かどうか、あらかじめ確認しておくと安心です。